東京オリンピック、ハンドボール女子の日本代表「おりひめジャパン」は31日行われた予選リーググループAの第4戦でアンゴラに敗れ1勝3敗となりました。
45年ぶりの出場となった日本代表は、来月2日の最終戦で、目標の準々決勝進出を果たせるか注目です。
“速いハンドボール”
モントリオールオリンピック以来、11大会45年ぶりの出場となったハンドボール女子の日本代表、「おりひめジャパン」。
チーム強化の第一歩は代表監督の海外からの招へいでした。
5年前、競技発祥の地とされるデンマーク出身の、ウルリック・キルケリー監督が就任。監督は、選手たちに技術面を指導するだけでなく体格の大きな海外勢にも当たり負けしないよう意識の変化を促し、チームは、機動力を生かした“速いハンドボール”を目指し進歩を続けてきました。
迎えた東京オリンピック。
予選リーグの第2戦、モンテネグロとの試合でその成果は出ました。
速いボール回しから、パスを受けた選手がサイドや中央から切り込んでシュートする積極的な攻撃パターンで、29対26で勝利。会場には11大会45年ぶりの勝利に歓声があがりました。
試合の内容としてもチームの得点源、池原綾香選手がチーム最多の6点を挙げ、チームのシュート決定率も69%となるなど数字の上でも成果が現れてきました。
勢いに乗って挑んだライバルの強豪・韓国との第3戦。
今回が国際大会初出場というこれまで出場の機会が少なかった近藤万春選手が左サイドから鋭く切り込んでシュートを決めチーム最多の7得点をあげるなど、スピードを生かした攻撃に磨きがかかりました。
相手に攻め込まれてもゴールキーパーの亀谷さくら選手や板野陽選手が好セーブを連発し反撃に転じるなど強豪相手に激しく競り合う展開に持ち込みました。
試合は24対27で敗れたものの、堅いディフェンスから速攻で得点を奪う“速いハンドボール”に手応えを感じた一戦でした。
一方で、課題として残ったのは終盤に「足が止まった」こと。
速攻に転じてもゴール前で勢いが止まりパスでつなぎながらも攻めあぐねる場面が多くなったのです。
こうした課題を念頭に臨んだ31日の第4戦。アンゴラに勝てば目標の準々決勝進出にむけて大きく前進する大切な試合でした。
日本はこれまで培ってきた速いボール回しからの攻撃で今大会で初めてとなる先制点をあげるなど出だしはゲームを有利に進めました。
ところが大きな体を生かした相手キーパーのセーブに阻まれ、徐々にシュートを決めきれない展開が続きました。
途中から、「足が止まった」状態となり攻撃の動きが鈍りはじめたのです。
主導権をアンゴラに握られてリードを許し流れを変えることができず、試合は25対28で敗れ、通算成績は1勝3敗となりました。
「出だしで得点を重ねたあと、相手の様子を見ようとして足が止まってしまった時間帯があった。そのため縦を狙う攻撃パターンが少なくなり、うまくボールが回せず、相手に流れを持っていかれてしまった。次の試合では最後まで強い気持ちをもって戦いたい」
「おりひめジャパン」は2日が予選リーグ最終戦。
相手は3大会連続でメダルを獲得しているノルウェーです。
これまでの試合で見えてきた課題をどう克服し強豪に挑んでいくのか、東京大会にすべてをぶつけてきた「おりひめ」たちのさらなる進化に注目です。