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アフガニスタンの首都カブールで起きた自爆テロの犠牲となったアメリカ兵13人の遺体が、アメリカ東部の空軍基地に到着しました。
最年長は31歳で、戦争が始まった時は11歳です。最年少の5人は20歳で、アフガニスタン戦争と同じ20年間の人生でした。3週間後には父親になるはずだった人もいます。
犯行声明を出している『ISIS-K』の自爆テロによって亡くなった人は、アメリカ兵も入れると180人以上と伝えられています。
自爆テロの翌日、計画を立案したとされるメンバーを、アメリカ軍はドローンで空爆し殺害しました。
アメリカ国防総省、カービー報道官:「『ISISーK』の幹部2人、作戦の立案者と、まとめ役がいたが、もはや名簿にない。ただ、2人を始末したからといって“もう『ISIS-K』を恐れる必要はない”と保証するものでは決してない」
アメリカ軍は29日にもカブールで、爆発物を積んでいたとされる車両を空爆。車はカブール空港に向かっていたとされています。
アメリカ中央軍:「カブール空港に差し迫っていた『ISIS-K』による攻撃の脅威を取り除くための空爆だった」
しかし、この空爆では、複数のメディアが、子ども6人を含む一家9人が巻き添えになり死亡したと伝えています。
アメリカ軍は「空爆しなければ、さらなる死傷者が出た可能性がある」としながらも、民間人に犠牲者が出た可能性については詳しい調査を行っているとしています。
30日も、原因は分かっていませんが、カブール空港周辺で黒煙が上がっているのが確認されました。
空港には、迎撃されたものの、5発のロケット弾が撃ち込まれ、『ISIS-K』が犯行声明を出しています。
アフガニスタンからアメリカ軍の完全撤退まで、あと22時間足らず。同じNATO(北大西洋条約機構)として活動していた、イギリスやフランスは退避活動を終え、軍の撤退も終えました。
日本の自衛隊も撤退の判断が迫られていますが、まだ現地には、協力者が残されたままです。
18年間、日本大使館で警備担当をしていた男性は、過去にはタリバンから脅迫を受けていました。
日本大使館の警備担当のアフガニスタン人:「『日本のような外国との仕事を辞めないと、お前の命は危険だ』と。日本政府に“正しい判断を”求めたいです。なぜ、現地の運転手は退避できたのに、警備スタッフは取り残されるのか」
アフガニスタンで、かつて政府特別代表として、軍閥の武装解除にあたった伊勢崎賢治さんは「日本政府の仕事は終わっていない」と念を押します。
東京外語大学大学院・伊勢崎賢治教授:「自衛隊の派遣は、アフガニスタン人救出のための一つの手段にしかすぎない。大切なのは、命のビザを発給すること。それで、パキスタン、もしくはイラン、タジキスタン、ウズベキスタン、日本の入国ビザがあれば通りやすくなる。『我々に協力してくれたアフガニスタン人、その家族を、ISから守ってほしい』とタリバンに言わないといけない。それをタリバンの責任にしないと、それを見届けないといけない。まだ全然ミッションが終わったわけじゃない。自衛隊が今回、助けた人が少ないと笑っている人がいるが、そうではない。このフォローアップが必要。とにかく安全を確保せよ、出国まで責任持てと、このプレッシャーです。援助と引き換えです。本当にアフガンのために自衛隊機の派遣で終わったわけではない」
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