実験室で培養した人間の「ミニ脳」に目が生えてきたとの報告、光にも反応

培養した脳に眼杯と呼ばれる器官を備えた原始的な目を形成させることに成功したとの論文が、2021年8月17日に発表されました。人の脳を研究するために実験室内で作られたミニチュアサイズの脳と目には、光に反応する神経組織の活動などが確認されたことから、今後は網膜疾患の研究や医療用の網膜の製造に役立つと期待されています。続きを読む……

大気中の水素は人間の活動により20世紀中に70%増加した

南極で得たサンプルの分析から、19世紀には安定していた大気中の水素量が、20世紀になって大幅に増加したことがわかりました。これまで水素の主要な排出源は自動車であると考えられてきましたが、排ガス規制により自動車による影響が減少したと考えられる時期にも水素排出量の減少傾向は見られないことから、専門家は他に重要な要因が存在していると指摘しています。続きを読む……

なぜ新型コロナの「自然免疫の獲得」がアメリカでは考慮されていないのか?

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への免疫は、ワクチン接種のほか、実際にSARS-CoV-2に感染することでも得られると研究から示されています。このためイギリスのワクチン接種の証明書であるNHS COVID Passは、SARS-CoV-2に感染したことでも発行されるなど、地域によっては自然免疫がワクチン接種や証明書の発行に影響するところも。一方で、アメリカでは「自然免疫を獲得した人」についての議論が十分に行われていないと、科学ジャーナリストのジェニファー・ブロック氏が指摘しています。続きを…

火星で使われるコンクリートは宇宙飛行士の「血と汗と涙」で作られる可能性

地球から火星へ物資を輸送するには高いコストがかかり、たった1つのレンガを火星へ送るのに200万ドル(約2億2000万円)の費用がかかるとも言われています。そのため、資源の調達は人類が火星への居住を試みる上でネックとなりますが、新たにマンチェスター大学の研究者が「火星で調達可能な建築素材」について実験を行った結果、人間の体液に含まれる成分を岩石と混ぜることで、コンクリートの製造に成功しました。続きを読む……

同じビデオやオーディオブックを見聞きする人は「心臓の鼓動」もシンクロすることが判明、植物状態の人が意識を回復する目安になる可能性も

過去の研究から、「見つめ合っている2人」や「音楽の演奏者と鑑賞者」など、特定の行動を通して脳の活動が同期する事例が報告されています。しかし、脳の活動以外にも「心拍数」が他人同士で同期するケースも確認されており、国際的な研究チームが発表した新たな論文では、「同じ物語を聞いたり見たりしている人の心拍数が同期する」との研究結果が報告されました。続きを読む……

肥満の研究はいかにして「カロリーの取り過ぎが太る原因という間違い」に傾倒していったのか?

健康やダイエットに興味がある人なら、一度は「摂取カロリーが消費カロリーを上回れば太るし、下回れば痩せる」という言説を目にしたことがあるはず。こうしたカロリーバランスに着目した考えは誤りだと主張するサイエンス・ジャーナリストが、「一体なぜ専門家でさえカロリーの取り過ぎだけが肥満の原因だとする単純な考えにとらわれるようになったのか」を考察しています。続きを読む……

「臓器の外側の環境を再現する特殊なゲル」を用いてすい臓がん腫瘍を培養する新手法が開発される

臓器を取り巻く環境を再現する特殊なゲルを用いることで、健康なすい臓細胞やすい臓がんの細胞からミニチュア臓器の「オルガノイド」を作り出す手法を、マサチューセッツ工科大学(MIT)などの研究チームが開発しました。新たな手法で作り出されたすい臓がん腫瘍のオルガノイドは、がんの治療薬開発やテストに役立つとのことです。続きを読む……

喫煙は新型コロナウイルス感染症にどのような影響をもたらすのか?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と喫煙の関係にはパラドックスが存在し、「喫煙がCOVID-19を重病化させる」可能性を示す研究結果がある一方で、喫煙者の方が非喫煙者に比べてCOVID-19の症例数が少ないという研究結果も報告されています。広島大学放射線生物学研究所の准教授である谷本圭司氏らは、なぜこのようなパラドックスが起こるのかを調査した実験結果を発表しています。続きを読む……

ワクチン未接種だと新型コロナデルタ株への感染率が5倍&死亡率が11倍になるという研究結果

アメリカ国内の感染症対策を主導する疾病予防管理センター(CDC)が新型コロナウイルスのデルタ株について、「ワクチン未接種の場合は感染率が約5倍、入院確率が約10倍、死亡率が約11倍になるという研究結果を発表しました。続きを読む……