セイヨウミツバチ 実は「アジア出身」だったと明らかに

セイヨウミツバチはアジアで誕生した可能性が大
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ミツバチの一種であるセイヨウミツバチ(学名: Apis mellifera)は、今日、ヨーロッパからアフリカ、中近東まで世界に広く分布しています。

一方、その起源の解明は、何十年にもわたって専門家の悩みの種となっています。

しかしこのほど、ヨーク大学(York University・カナダ)の研究により、セイヨウミツバチは、アジアで生まれた可能性が高いことが判明しました。

名前に”セイヨウ(西洋)”とあるからといって、生まれはヨーロッパのどこかではないようです。

研究は、12月3日付けで学術誌『Science Advances』に掲載されています。

目次 セイヨウミツバチが養蜂家に人気な理由とは セイヨウミツバチが養蜂家に人気な理由とは セイヨウミツバチは、養蜂家にとても人気があり、農作物の受粉…

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参考文献

Mysterious origins of western honey bees revealed
https://www.earth.com/news/mysterious-origins-of-western-honey-bees-revealed/
Where did western honey bees come from? New research finds the sweet spot
https://phys.org/news/2021-12-western-honey-bees-sweet.html

元論文

Thrice out of Asia and the adaptive radiation of the western honey bee
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj2151

火山灰に50日間も埋まっていたミツバチが奇跡的に生存していた

火山灰に50日間埋もれていたハチの巣箱
Credit: H-H News/youtube(2021)

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今年9月19日、スペイン領カナリア諸島のラ・パルマ島で、クンブレ・ビエハ火山が噴火し、約5000人(総人口は約8万5000人)が避難を余儀なくされました。

同島での噴火は約50年ぶりであり、家屋や通りが大量の火山灰に覆われています。

現在も警察や消防隊による活動が続く中、驚きのニュースが飛び込んできました。

火山灰に50日間も埋もれていたハチの巣箱が発見され、しかも中のミツバチたちが生きていたというのです。

日光もエサ集めもできない中で、どうやって生き延びたのでしょうか。

目次 ミツバチが50日間、灰に埋もれて生き延びた方法 ミツバチが50日間、灰に埋もれて生き延びた方法 ハチの巣箱は今月6日、噴火した火山から600メ…

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参考文献

Beehives with Bees Recovered Alive 50 Days After Being Buried in Las Palma Volcanic Eruptions
https://www.sciencetimes.com/articles/34702/20211125/beehives-buzzing-residents-recovered-bees-discovered-still-alive-50-days.htm
Thousands of bees make it out alive after being buried by La Palma volcano ash for 50 days
https://nationalpost.com/news/world/thousands-of-bees-make-it-out-alive-after-being-buried-by-la-palma-volcano-ash-for-50-days

ミツバチは、最強の敵・オオスズメバチにのみ発する「警報音」を持っていた

ミツバチは、オオスズメバチに特化した「警報音」と持っていた
Credit: jp.depositphotos

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ミツバチ「総員、決起せよ!」

アメリカ・カナダの最新研究により、ミツバチは、最強の天敵であるオオスズメバチに特化した「警報音」を持っていることが判明しました。

小型のスズメバチに対して発するよりも、明らかに音が鋭くて大きく、鳴りも激しいとのこと。

チームは、霊長類や鳥類が恐怖や危険を感じたときに放つ「パニックコール」に近い、と指摘しています。

ミツバチはこの警報音をきっかけに、コロニーの守りを固め、群れで応戦を開始するようです。

研究は、11月10日付けで学術誌『Royal Society Open Science』に掲載されました。

目次 オオスズメバチの出現で、音の総量が7倍に増加 オオスズメバチの出現で、音の総量が7倍に増加 オオスズメバチは、ミツバチにとって最も凶悪な天敵で…

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参考文献

When Murder Hornets Attack, Bees Start Heartbreaking ‘Shrieks’ to Warn The Colony
https://www.sciencealert.com/scientists-describe-a-new-honeybee-signal-that-warns-the-colony-of-murder-hornets
Bees ‘shriek’ when attacked by giant cousins of ‘murder hornets’
https://www.livescience.com/bees-shriek-when-hornets-attack

元論文

Giant hornet (Vespa soror) attacks trigger frenetic antipredator signalling in honeybee (Apis cerana) colonies
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsos.211215

ダーウィンもドン引きの寄生バチは2000万人もの命を救っていた

寄生バチは、人類の救世主だった?
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居住空間の都市化が進むにつれ、虫たちの存在がどんどん遠いものになっています。

これでは虫嫌いになる人が続出しても仕方ないでしょう。

しかし、虫が地球からいなくなってしまうと、私たちは生きていけません。

彼らは受粉を媒介することで、世界中の植物を繁殖してくれています。

そして、人の役に立っているにもかかわらず、まったく名の売れていない虫が「寄生バチ」です。

寄生バチは「イモムシに寄生するおぞましいヤツ」というレッテルを貼られがちですが、それだけでは悪評が広がるばかり。

実は、彼らには数千万人の命を救った立派な功績があるのです。

それを詳しく見ていきましょう。

目次 悪魔か、救世主か農薬に比べてメリットだらけ 悪魔か、救世主か 寄生バチは主に、コバチ科・ツチバチ科・コマユバチ科・ヒメバチ科に分かれ、種類も豊…

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参考文献

PARASITIC WASPS TURN OTHER INSECTS INTO ‘ZOMBIES,’ SAVING MILLIONS OF HUMANS ALONG THE WAY
https://www.dal.ca/news/2021/10/29/parasitic-wasps-turn-other-insects-into–zombies—saving-millio.html

ミツバチも巣内の感染症対策に「ソーシャルディスタンス」を取っていた

ミツバチも「ソーシャルディスタンス」を取ることが判明
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「ソーシャルディスタンスを取りましょう!」

コロナ時代になってから一体、何度耳にしたことでしょうか。

今でも毎日のように聞くフレーズですが、これは感染拡大を防ぐ、人間ならではの大事な知恵です。

ところが、ソーシャルディスタンスを取る生き物は私たちだけではありませんでした。

イギリスとイタリアの国際研究チームはこのほど、ミツバチが寄生虫の脅威にさらされると、コロニー内でソーシャルディスタンスを取り始めることを明らかにしました。

感染したハチは、巣の中心部にいるハチの子や女王バチにうつさないよう、社会的距離を増加したとのことです。

研究は、10月29日付けで学術誌『Science Advances』に掲載されています。

目次 ミツバチの「ソーシャルディスタンス」を初確認 ミツバチの「ソーシャルディスタンス」を初確認 ミツバチの社会は、私たちと同様に、仕事の役割分担を…

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参考文献

Honeybees use social distancing to protect themselves against parasites
https://phys.org/news/2021-10-honeybees-social-distancing-parasites.html
Honeybees use social distancing when hive is under threat from parasite
https://news.sky.com/story/honeybees-use-social-distancing-when-hive-is-under-threat-from-parasite-12454295

元論文

Honey bees increase social distancing when facing the ectoparasite Varroa destructor
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj1398