日本への帰還が始まる中、山本は収容所内の病院に入院した。《耳からの排膿が止まらない》

  1953年、国連総会でソ連に抑留されている日本人捕虜問題が討議された。そして、ついに第1回のダモイ(帰国)が始まった。一方、山本幡男はラーゲリ内の病院に入院していた……。 第18話は1月1……

「もしかして、ダモイ(帰国)じゃねえか?」突然の召集に、日本人捕虜たちは動揺を隠せない

  脱走した4名は2日目に捕まってしまう。その後、ラーゲリは厳重な警戒態勢をしくようになり、自由な空気は失われていく。そんな中、山本幡男の下に妻モジミからの返信葉書が届いた……。 第17話は1……

《初めて届いた妻からの返信葉書》シベリアの収容所で捕虜となり、8年の年月が過ぎていた…

  ラーゲリから日本人捕虜4名が脱走した。彼らは捕虜全員の名簿を持ち出し、シベリア抑留者の実情を日本に知らせようとしたのだ。この計画には、山本幡男も深く関わっていたのだが……。 第16話は12……

《収容所の春》抑留者の劇団が旗揚げし、草野球も始まった。山本はアナウンサーを買って出た

  米ソの対立が深まり、長期抑留を覚悟せざるをえない状況になった。日本人抑留者の幹部は当局にノルマの改善を申し入れ、ラーゲリでの生活も少しずつ改善されていった……。 第13話は12月5日(日)……

「そういう仕事はせんように決めたんです」日本語の壁新聞をつくるという依頼を山本は断った

  山本幡男が主催したアムール句会には、下級兵士から将校まで、階級を問わずさまざまな人々が集ってきた。句会が終わると、俳句を書いた紙は看守に見つからないように、細かくちぎって捨てられた……。 ……

《紙はセメント袋、墨は煤煙、筆は馬の尻尾》収容所の仲間が密かに集い、句会が始まった

  ハバロフスクの収容所に落ち着いた山本幡男は、仲間を誘って句会を催すことにした。名称は満州との国境を流れるアムール川からとって、「アムール句会」と名付けた──。 第10話は11月7日(日)1……