福島県南相馬市小高区で、2021年2月に佐藤太亮さんが立ち上げた醸造所haccoba -Craft Sake Brewery-の「はなうたホップス」は、東北に伝わるどぶろく製法の花酛がルーツ。ホップに黄麹と白麹を使い、爽やかでビター、甘味とうま味が重なる楽しい酒で分類は「その他の醸造酒」だ。…
新日本酒紀行「磐城壽」 – 新日本酒紀行
日本一海に近い蔵といわれた福島県の沿岸部浜通り、浪江町の鈴木酒造店。蔵元杜氏の鈴木大介さんと弟の荘司さんが醸す力強い味は、地元漁師が愛飲する「海の男酒」だった。東日本大震災の津波で蔵は流失。原子力発電所事故で避難指示が発令され、故郷の土が踏めなくなった。…
新日本酒紀行「豊盃」 – 新日本酒紀行
家臣や農家を鼓舞するためにうたわれたホーハイ節は、日本の民謡では珍しいヨーデル唱法を取り入れた高度な技が楽しめる明るいうただ。これにちなんだ酒米が豊盃米で、古城錦を母、レイメイを父として、1976年に青森県農業試験場で育成された。弘前市の三浦酒造の代表銘柄「豊盃」もこの酒米に由来し、全体の7割を豊盃米の酒が占める。…
新日本酒紀行「赤武」 – 新日本酒紀行
赤い兜がアイコンの酒「赤武」は、赤武酒造6代目、古舘龍之介さんが杜氏となり酒質設計を行う。白い果実や柑橘を思わせる爽やかさがあり、様々な品評会で高評価を得る。岩手県盛岡市で酒造りを行うが、2011年3月まで蔵は大槌町にあった。…
新日本酒紀行「御慶事」 – 新日本酒紀行
大正天皇ご成婚の折、「最高の慶び事」を記念して酒名に付けた青木酒造は、茨城県古河市に唯一残る酒蔵だ。「7.5代目蔵元です」と笑顔で話すのは長女で専務の青木知佐さん。酒造りを手伝い、営業で全国を駆け回る蔵の顔だが、若いときは家業を継ぐ気はなく、大学卒業後は医療の道へ進み、看護師として集中治療室に立った。「蔵で人手が足らず、弟は高校生で……」と7代目の父と母から請われて2014年に蔵入りした。弟が8代目を継ぐまでのリリーフだから、7.5代目を名乗る。…
新日本酒紀行「稲とアガベ」 – 新日本酒紀行
JR男鹿線終着駅の男鹿駅は、にぎわい創出を目指して2018年に駅舎を200m移し、駅前広場や店舗を整備。男鹿市が借り手を募った旧駅舎に「醸造所を造りたい」と挙手したのが九州男児の岡住修兵さんだ。…
新日本酒紀行「甲子」 – 新日本酒紀行
酒の字を含む市区町村は、全国でも山形の酒田市と千葉の酒々井町の二つだけ。その後者、酒々井町で元禄時代に創業した酒蔵が飯沼本家だ。
新日本酒紀行「華鳩」 – 新日本酒紀行
貴醸酒は水の代わりに酒を使い、濃醇で甘くリッチな香味豊かな贅沢酒。広島県呉市倉橋島の榎酒造が、1974年に日本で初めて商品化した。
新日本酒紀行「蓬莱」 – 新日本酒紀行
年商4億円が3割まで減少し、杜氏は病で引退、古参社員は退職と、歯止めがかからぬ業績不振から、世界一のコンテスト受賞数を達成し、売上を4倍に伸ばして、世界酒蔵ランキング2020で1位に輝いたのが、岐阜県飛騨市の渡辺酒造店だ。…
新日本酒紀行「三千櫻」 – 新日本酒紀行
北海道最高峰の大雪連峰旭岳の麓の町、東川は道内で唯一、蛇口を捻ると天然水が出る。100年かけて濾過された雪解け水は大雪旭岳源水と呼ばれ、農業用水から生活用水まで全てを担う。東川米は米の鑑評会で高評価を受けるブランド米故に、町は水と米を生かした名産品を計画。町営で酒蔵を建て、酒造会社を公募した。それに応えたのが岐阜県中津川市にあった三千櫻酒造だ。…