老同心を心配する平蔵だが、人生のすべてを役目に捧げた頑固な老人は聞く耳を持たず無理をして…

  老同心の船吉又三は腕利きの役人で、役目に人生を捧げてきたために、孫娘に心配をされながらも、引退をなかなか決意できずにいた。そんな中、盗賊の立て籠りが起き、船吉も見張りに向かうが、体の衰えに……

“罪人を生まない”平蔵の思いが込められた寄場から逃亡した人足たち…逃げたその先に待つものとは?

  田舎から江戸に出てきた八十八は無宿狩りに遭い、人足寄場に送られる。国に帰ろうと真面目に働くが、“島送り”にされるという噂を真に受け、仲間と逃亡してしまう。逃げる道中で倒れた老人を助け、その……

「昔のしがらみはそう簡単に捨てられない」女と穏やかに暮らすことを願う元盗賊に鬼平が放った一言

  お峰という女と穏やかに過ごすことを願う、元盗賊の頭“雲居の信次郎”。信次郎のかつての部下“川鹿の磯七”は「盗めの掟」を守るという信次郎のやり方を古いと一蹴し、押し込みを企てていた。それを知……

鬼平の息子・辰蔵に向けられる怪しい視線…辰蔵が通う三味線屋の職人・松五郎に隠された秘密の姿

  船ごと盗まれ、水夫の男が殺される事件の犯人は、三味線を弾く娼婦の姿をしていたという。事件現場にほど近い場所で三味線を習う平蔵の息子・辰蔵は、元芸者であり三味線の師匠の吉弥に話を聞きに行くこ……