“仏の定九郎”と呼ばれる明石は、お吉という女のことを忘れられずにいた。お吉は小間物問屋に身請けされ幸せなはずだったが、ある日明石は、彼女が家から追い出されたという話を聞く。血相を変えてお吉……
老同心を心配する平蔵だが、人生のすべてを役目に捧げた頑固な老人は聞く耳を持たず無理をして…
老同心の船吉又三は腕利きの役人で、役目に人生を捧げてきたために、孫娘に心配をされながらも、引退をなかなか決意できずにいた。そんな中、盗賊の立て籠りが起き、船吉も見張りに向かうが、体の衰えに……
鬼平が寄場から逃亡した自分を追ってきた…捕まることを恐れた元人足はとっさの行動を起こす!
人足寄場から逃亡した八十八は、逃亡先で出会った老人とその孫・おいねと暮らすようになる。庄八と名乗り、おいねと夫婦になるが、平蔵が家の近くに訪れることを知り、自分を追ってきたのではないかと不……
“罪人を生まない”平蔵の思いが込められた寄場から逃亡した人足たち…逃げたその先に待つものとは?
田舎から江戸に出てきた八十八は無宿狩りに遭い、人足寄場に送られる。国に帰ろうと真面目に働くが、“島送り”にされるという噂を真に受け、仲間と逃亡してしまう。逃げる道中で倒れた老人を助け、その……
「昔のしがらみはそう簡単に捨てられない」女と穏やかに暮らすことを願う元盗賊に鬼平が放った一言
お峰という女と穏やかに過ごすことを願う、元盗賊の頭“雲居の信次郎”。信次郎のかつての部下“川鹿の磯七”は「盗めの掟」を守るという信次郎のやり方を古いと一蹴し、押し込みを企てていた。それを知……
密偵・おまさがかつて慕っていた盗賊の頭は記憶喪失!? 平蔵は不審に思い見張りをつけるが……
密偵のおまさは、ある日裏長屋で“雲居の信次郎”と呼ばれていた元盗賊の頭を見かける。彼は記憶を失っている様子だった。平蔵はおまさの報告を受けると、粂八に見張りを頼むが、信次郎は女と平穏な暮ら……
平蔵の前から突如姿を消した密偵の粂八…盗賊におとりにされた少女を助けるため奔走する!
盗賊におとりに使われていた少女・おみつの父親である栄五郎が殺される事件が起きた。おみつを日頃から心配していた粂八は、平蔵たちとは別に調査を進めていく。その頃平蔵はおみつが盗賊に連れ去られた……
鬼平の息子・辰蔵に向けられる怪しい視線…辰蔵が通う三味線屋の職人・松五郎に隠された秘密の姿
船ごと盗まれ、水夫の男が殺される事件の犯人は、三味線を弾く娼婦の姿をしていたという。事件現場にほど近い場所で三味線を習う平蔵の息子・辰蔵は、元芸者であり三味線の師匠の吉弥に話を聞きに行くこ……
手籠めにされたことを火盗改メに訴えた娘に世間から浴びせられた心ない言葉の数々
盗賊に手籠めにされ髪を切り取られる事件が相次ぎ、ついには身投げする娘まで現れる。被害者のひとり、お千恵の必死の訴えを受けて火盗改メの密偵たちは犯人の目星をつけていた。しかし、お千恵に対する……
与力の娘・八重を殺したのは旗本の息子か、それとも…結婚前の娘の悲劇に鬼平が動く!
与力の岡田茂三の娘・八重との祝言を控えていた与力見習いの朝倉。ある夜八重は無残な姿で発見され、平蔵は調査に乗り出す。「見張られている」と八重が気にしていたことを知った岡田は、旗本の息子・石……