鬼平犯科帳

 　旧友の見舞いの帰途、甲州の山中で、悪党に追われる女と出会った平蔵。彼女を救おうとし、追い詰められた崖から二人とも転落してしまう。道中をともにしていた忠吾は、甲府勤番に助けを求めるが、江戸か……

 　ふとした偶然から“天狗の壮助”と呼ばれた出稼ぎの青年は、さらなる手柄を立てようと、放火をし、犯人を目撃したと証言する。人相書きでたまたま見た悪党・隼の敏三の名前を挙げたところ、それを知った……

 　稀に見る不景気で犯罪が増える江戸の町。出稼ぎにきていた青年・壮助は偶然盗っ人の捕り物に貢献し、一躍ヒーロー扱いに。“天狗の壮助”と呼ばれる彼を真似、町の人々は苛立ちを吐き出すように自ら犯罪……

 　蝮の文次と呼ばれる盗賊が捕まったことをきっかけに、かつて文次の罪を着せられ冤罪であったとわかった与平。彼を気にかけ当座の金と住まいを用意した平蔵と佐嶋は、与平からつらい過去の話を聞く……。……

 　長谷川家の知行所へ向かう平蔵一行は、宿で酒に薬を盛られたことに気づき、女中のおかるが息子を捕らえられ、仕方なく事に及んだと知る。指示をしていたのは、かつて平蔵に頭を殺され、憎しみを抱く惣七……

 　旗本である平蔵の長谷川家の知行所は、上総国の寺崎村にあった。村の名主屋敷が襲われ、調査のために出向くことになった平蔵。しかし、寺崎村の事件と、そこへ向かう道中には、法印の惣七という男の思惑……

 　盗賊事件を調べるうちに、被害にあった店への取り立て屋の出入りに気づいた火盗改メ。平蔵は取り立て屋を調べるため、五郎蔵に借金をつくるよう呼びかける。五郎蔵の元に取り立てにきた小僧・新造はある……

 　小商いの店ばかりが押し込みで狙われる事件が多発していた。火盗改メは取り立て屋の松五郎だけがどの店にも出入りをしていることに気づき、平蔵自ら松五郎の店に見習いとして潜入するが、取り立て屋は評……

 　旅籠の大旦那の「息子を懲らしめたい」という提案に乗り、旅籠へ盗賊の真似事をして忍び込んだ隠居連と彦十。店の者に見つかりすべてを白状したが、蔵からは盗んでいないはずの五百両が消えてしまってい……

 　最上藩の藩主・立花正盛と側用人の安達隼人は、藩政を建て直した名君と側近として世に知られていたが、いまは茶屋遊びにうつつを抜かす毎日で、藩士の音之助がその尻拭いをさせられていた。音之助は安達……