この記事はプライバシーおよびデータ保護オフィス、プロダクト マネージャー、Sam Heft-Luthy による Google Online Security Blog の記事 “Google Protects Your Accounts – Even When You No Longer Use Them” を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
デジタル アカウントが使われなくなったら、何が起きるのでしょうか。これは、私たち全員が自問するべき質問です。使われなくなり、放置された古いアカウントは、サイバー犯罪のターゲットになる可能性があるからです。
実際、最近発生したよく知られている不正アクセスの相当数で、使われなくなったアカウントが狙われています。石油パイプライン会社 Colonial Pipeline が受けたランサムウェア攻撃を調査したコンサルタントによると、この攻撃は、使われなくなり、多段階認証が適用されていないアカウントを通して発生しました。今年の夏に起きた T-Mobile への不正アクセスも、古い請求ファイルを通して、使われなくなったプリペイド アカウントの情報がアクセスされました。使われなくなったアカウントは、深刻なセキュリティ リスクをもたらす可能性があります。
Google ユーザーがこの問題を解決するために利用できるのが、アカウント無効化管理ツール です。Google がアカウントを無効と見なすべきタイミングや、Google がデータを消したり信頼できる連絡先と共有したりするべきかどうかを、皆さんご自身で決めることができます。
動作の仕組み
アカウント無効化管理ツールは、アカウント設定からアクセスできます。登録すると、3 つのことを尋ねられます。
- アカウントを無効と見なすべきタイミング : どのくらい未使用の期間が続いたら Google がアカウントの処理を行うかを、3 か月、6 か月、12 か月、18 か月から選択できます。Google は、指定された期間の 1 か月前に、スマートフォンへのメッセージと指定されたアドレスへのメールで通知します。
- 通知する対象者と共有する内容 : 皆さんの Google アカウントが無効になったときに、Google が通知する人を 10 人まで選択できます(セットアップ中には通知されません)。ここで指定した人が、データの一部にアクセスできるようにすることも可能です。信頼できる連絡先とデータを共有する場合、通知されるメールには、共有対象として選択したデータのリストと、そのデータをダウンロードできるリンクが含まれます。信頼できる連絡先と共有するデータには、写真、連絡先、メール、ドキュメントなどを含めることができます。さらに、Gmail の自動返信も設定可能です。件名とメッセージには、アカウントを使わなくなったことを説明する内容を自由に指定できます。
- 無効になった Google アカウントを削除するかどうか : アカウントが無効になると、Google はそのコンテンツをすべて削除するか、指定した連絡先に送信します。指定した人がコンテンツをダウンロードできるように設定している場合は、削除前の 3 か月間でダウンロードすることができます。Google アカウントを削除する場合、公開しているデータ(YouTube 動画や Blogger のブログなど)も削除されます。自分のアカウントに関連付けられているデータは、Google ダッシュボードで確認できます。アカウントで Gmail を使っている場合は、アカウントが無効になると、そのメールにアクセスできなくなります。Gmail のユーザー名を再利用することもできません。
アカウント無効化プランは簡単な手順で設定できます。これにより、データを保護し、アカウントが無効になっても安全な状態を保ち、皆さんがアカウントにアクセスできなくなったとしても、デジタル遺産は確実に信頼できる連絡先に渡ります。プライバシー診断でも、アカウントのプランの作成を促すようになりました。また、プランについてのリマインダーも、随時メールでお送りします。
Google は、皆さんのオンラインの安全を維持するため、たゆまぬ努力を続けています。セキュリティを強化するその他の方法については、安全性を保つためのヒント トップ 5 を確認するか、セーフティ センターにアクセスしてください。日々 Google がどのようにして皆さんのオンラインの安全を維持しているかについて知ることができます。
Reviewed by Eiji Kitamura – Developer Relations Team<!—->