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地方の中堅クラスの高校から東大に進学するのは至難の業だ

開成、灘、桜蔭――。東京大学に合格する生徒は、都会の中高一貫の進学校出身者が圧倒的に多い。地方の中堅クラスの高校から東大に進学するのは至難の業だ。東大合格者の少ない高校出身者で、地方からの大学進学を支援するサークル「東京大学フロンティアランナーズ(UTFR)」のメンバーに受験の壁を乗り越える方法などについて聞いた。

UTFR代表の小山さん

「いい意味で僕の扱いが雑になった。この1年余りで、高知に5回も足を運んだが、地元の高校生が気軽に話しかけてくれるようになった」。UTFR代表で東大工学部3年の小山賞馨さんは笑いながら話す。

新型コロナウイルス禍の中、足しげく通うのは高知県の山間部の梼原町や足摺岬のある土佐清水市の公立高校や中学だ。11月26~27日に開いた梼原高校の文化祭にも参加。クイズやボードゲームなどをやり、生徒との親交を深めた。

東京の魅力や大学の面白さを伝える

高知市内から車で約2時間もかかる同高から東大や京都大学など難関国立大学に進む生徒はほとんどいない。最初は「東大生なんて宇宙人、奇人変人みたいな目で見られた」。しかし、徐々に交流しながら、東京の魅力や大学の面白さなどを伝えている。

「東大は遠くない」。UTFRは2019年に沖縄県の石垣島にある県立八重山高校を訪ね、東大進学支援プロジェクトをスタートした。「石垣から東大を受験する生徒も出始めた」と手応えを感じている。

小山さんは山口県宇部市にある中高一貫の私立校出身だ。「120年近い歴史のある高校だが、東大に合格したのは僕が3人目。地元でも話題になった」という。両親は高卒だが、教育熱心だった。理系が得意で、地元の国立大医学部を狙おうと考えたが、たまたま1人の東大生と話す機会があった。「この人の考え方はすごい」と感銘を受け、東大を目指すようになった。

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