ビルの窓から激しく上がる真っ赤な炎。
一時はビルそのものが見えなくなるほど、大量の黒い煙に包まれた。
6階の窓からは、はしご車で女性が助け出された。
ストレッチャーに乗せられ、次々と病院に搬送される人々。
中には、救急車の中で心臓マッサージを受ける人もいた。
17日午前10時すぎ、大阪市北区のJR北新地駅近くの繁華街で「ビルの4階が燃えている」と消防に通報があった。
この火災で、心療内科クリニックが入る4階フロアなど、少なくとも20平方メートルが焼けた。
消防車およそ80台が出動し、午後5時すぎに鎮火した。
午後6時ごろ、現場のビルのオーナーが取材に応じた。
ビルのオーナー「(スプリンクラーはついていた?)なかったらしいです。放火の疑いがあるということですから、それ以上は何も言いたくないです」
火元とみられるクリニックの金曜日の診療開始時刻は午前10時だった。
捜査関係者によると、「60代くらいの男がクリニックの中に入ってきて、床に紙袋を置いた瞬間に強い火が出た」という目撃情報があることがわかった。
目撃したのは、男より先に来て待機していた女性らで、すぐに避難し無事だったという。
消防によると、ビルから助け出された人は28人。
そのうち27人が4階に集中していた。
死亡した人の多くは一酸化炭素中毒とみられ、中には損傷の激しい遺体もあるという情報もある。
警察は、放火の疑いがあるとみて、目撃情報の裏付け捜査などを進めているとみられる。