2021年12月19日から開催中の「第4回全国高校eスポーツ選手権」決勝大会。12月25日には「ロケットリーグ」(PC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)部門の決勝大会がオフラインで行われ,その模様がYouTubeやTwitchなどで配信された。
全国高校eスポーツ選手権とは,一般社団法人 全国高等学校eスポーツ連盟(JHSEF)と毎日新聞が主催し,協賛にはゲーミングPCブランド「GALLERIA」でおなじみ,サードウェーブなどの企業・団体が名を連ねる大会。12月19日には「フォートナイト」の決勝大会が行われ,大阪・吹田高校のチーム「あいうえお」が優勝している。
ここで念のため「ロケットリーグ」について説明しておくと,ロケット噴射やジャンプが可能な「ロケットカー」を使って行う,3対3で行われるサッカーのようなルールのゲーム。カーレースさながらのスピード感と,サッカーの奥深い駆け引きの両方を味わえる作品で,2020年9月に基本プレイ無料となって以来,海外ではさらなる盛り上がりを見せている。
決勝大会のレギュレーションは準決勝,決勝ともにBO5(3戦先勝)。1ゲームの時間は5分間で,3ゲームを先取したチームが勝者となる。
予選大会を勝ち抜き,決勝トーナメントに進出したのは以下の4チーム。
沖縄県 N高校「Nポテ」
岐阜県 可児工業高校「KTRL」
徳島県 阿南工業高等専門学校「Kamase Dogs」
福井県 福井工業大学付属福井高校「サルの音楽隊」
準決勝第1試合を制して決勝に進出したのはN高校のチーム「Nポテ」。「ロケットリーグ」のプロとしても活動するBurn選手が,壁と車体の間にボールを挟んでコントロールする高等テクニック“パンケーキ”を決める場面などもあり,1ゲームも落とさずに勝利した。ただ,対戦した可児工業高校のチーム「KTRL」も,前大会の優勝チームであるNポテ相手に一歩も引かない,見事な戦いぶりを見せていた。
もう一方のブロックから決勝進出を果たしたのは福井工業大学付属福井高校の「サルの音楽隊」。こちらはwhiterabbit25252選手を中心にした鋭い攻めを見せるチームで,準決勝第2試合では,本大会の常連校である阿南工業高等専門学校の「Kamase Dogs」にストレートで勝利した。
はたして決勝では,Burn選手とwhiterabbit25252選手のどちらが先制点を決めるのか──。そんなストライカー対決を期待させた決勝戦だったが,開始から1分,まず先制点を決めたのはNポテのSK選手だった。そこから勢いに乗ったNポテの波状攻撃が続き,まもなくBurn選手,Nekota選手もぞれぞれゴールを決める。Nekota選手にいたってはハットトリックを達成するなど,1ゲーム目は5-0とNポテの圧倒的な勝利となった。
続く2ゲーム目中盤,Burn選手はずば抜けた個人技を発揮。自陣奥深くから相手チームの全員を抜いて得点し,プロの実力を見せつけた。
3ゲーム目は,開始1分でサルの音楽隊のrukiki3選手がそうそうに1点をもぎ取ったものの,Nポテの勢いは止められない。
Nポテはそのまま圧倒的な強さを見せつけ,昨年大会から続く2連覇を果たした。
試合後,優勝を果たした「Nポテ」のメンバーは決勝大会を振り返り,以下のようにコメントしていた。
Burn選手:
みんなで良いプレイができ,キレイに勝ちきれてよかった。パンケーキは……今後も機会があればチャレンジしていきたいです(笑)。
SK選手:
Burn選手とは以前から組んでプレイしていましたが,彼がN高校に来て以降は,彼をカバーする動きがより洗練されてきたと思います。
Nekota選手:
決勝から出場したプレッシャーが大きかった。3年の大会で優勝できたという,いい思い出が作れました。
motikun選手:
決勝は安心して観ていました。ただ準決勝は,Nekota選手の出番につなげなくてはと,プレッシャーを感じていました。
惜しくも準優勝となった「サルの音楽隊」だが,強豪であるN高校へのチャレンジを純粋に楽しんでいたという。
whiterabbit25252選手:
練習のおかげか,手が勝手に動いてくれた。来年N高校を倒すには,プレイの正確性をさらに上げることが必須だと思います。
monmon4612選手:
準決勝後は皆でよくやった! と言いながら興奮してました。決勝はN高校相手なので,いい試合になってほしいと思いつつ応援しました。
rukiki3選手:
決勝戦のゴールは正直止められると思っていたので,爽快感よりもホッとした気持ちが強かったです。
Yo-san選手:
チームワークに執着しすぎず,各々が本領を発揮できました。ここまで連れて来てくれたみんなに感謝しかありません。
N高校が念願の2連覇を達成した「第4回全国高校eスポーツ選手権 ロケットリーグ部門」。はたして来年,Nポテはその伝統を確かなものとするのか。それとも意外なドラマが繰り広げられるのだろうか。すでに第5回大会が楽しみだ。
著者: ” — [source_domain] ”