『Battlefield 2042』の開発側スタッフが1月6日、開発チームの年末休暇中に寄せられたユーザー意見に対して、SNS上で苦言を投稿した。同投稿には瞬く間に同作ユーザーの反発を呼び、大規模コミュニティが一時閉鎖する危機に瀕している。
『Battlefield 2042』は、マルチプレイFPS『Battlefield(バトルフィールド)』シリーズの最新作。本作は昨年11月19日のリリース以降、ユーザーから不具合の指摘やゲームプレイ面への不満が相次いでいた。Steamユーザーレビュー評価でも苦戦しており、記事執筆現在のレビュー8万4261件中で、好評は33%。多くのユーザーがSNS上などで本作の改善を求める様子も見られる。
開発元EA/DICEも改善に動いており、リリース後間もなく複数のアップデートを配信。昨年12月9日に配信された「アップデート#3.1」では、ユーザーのフィードバックが色濃く反映されていた。同アップデートをもって、開発チームは一旦年末休暇へ。ユーザーは年明けまでアップデートを待つこととなった。そして年は明け今年1月6日、EA側スタッフが投稿したとあるツイートが、不満を抱えて待つユーザーたちに火を点けてしまった。
発端となったツイートを投稿したのは、EAのIntegrated Communications部門でグローバルディレクターを務める、Andy McNamara氏。同部門は、EAとコミュニティやユーザーを繋げる、いわゆる広報やコミュニティマネージャーのような役割だ。問題となった投稿は、休み中に寄せられた一部ユーザー意見に声に苦言を呈する内容だった。
同氏は休暇から仕事に戻り、海外掲示板RedditおよびTwitterをチェック。休暇中に寄せられた「アップデートや発表がない」とのユーザー意見を目にしたようだ。McNamara氏は「人には休息が必要」だと伝え、またアップデートの配信には、入念な準備と開発期間が必要であると述べた。また、「ファンを愛しているが、そこまで期待するのは残酷だ」とコメント。つまり、年末休暇も返上しての対応を求められる点について苦言を呈したのだ。そして、同氏の言葉はユーザーを刺激する結果となってしまった。ツイートにはユーザーからの批判が寄せられ、同氏は後に該当の投稿を削除。「意図が伝わらなかった」として謝罪のツイートをしている。
しかし、McNamara氏の発言は、既にRedditの本作コミュニティ/r/battlefield2042にまで波及してしまっていた。同掲示板には、McNamara氏のツイートのスクリーンショットが投稿され、ユーザーの批判の声が殺到したのだ。前述の通り、本作についてのユーザーの改善要望は絶えることがない。さらに、年末休暇でのアップデート休止も挟んでいる。そこへ来て、開発側であるMcNamara氏の苦言が投じられて不満が爆発したユーザーも多かったのだろう。また、同氏の発言が、ユーザーの意見に対する否定だと受け止める声も散見される。
そして事態は、同コミュニティの一時閉鎖を視野にいれた危機に至っている。1月7日には/r/battlefield2042モデレーターチームが「有害(Toxic)な投稿が続くようであれば、掲示板を一時閉鎖せざるをえない」と同掲示板にて発表したのだ。モデレーターチームは、掲示板利用者や開発側の個人に向けた、中傷や嫌がらせのコメントが投じられていると指摘。このまま事態が悪化すればコミュニティが機能不全に陥るとして、あらゆる手段を講じて有害なコメントの抑制をおこなうと表明した。また、この方針が気に入らなければ、ほかにコミュニティを作ってほしいと語っている。一方で、同スレッドには反発のコメントが多数寄せられている。
今回は、McNamara氏の発言が火種となり、大規模コミュニティ閉鎖の危機にまで発展している。その理由としては、開発者への攻撃的な投稿が多いからだろう。不満が募ったとしても、個人を対象にした誹謗中傷は許されない。しかし、ユーザーには意見を述べる権利があり、どこからが有害な投稿で、どこからが適切なフィードバックかの線引も難しい点だ。/r/battlefield2042モデレーターチームは、今後どのように采配を下すのだろうか。EAとDICEとしては、とにかくアップデートによって答えを出すほかないだろう。
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