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<激戦となっている日本の加熱式たばこ市場だが、JTが新しいデザイン、新しい加熱技術を擁する新製品を発売。何が旧来の製品と違うのか> 日本のたばこ市場全体の約3割にまで成長した加熱式たばこ。現在、日本たばこ産業(JT)の「Ploom」、米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「iQOS」、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「glo」の3ブランドが、三国志さながらに覇権争いを繰り広げている。今のところ強者は、シェア約7割を握る「iQOS」だ。 そんな日本市場という「戦場」に、起死回生を図るべく、JTが新製品を投入する。まったく新しい加熱式たばこ用デバイス「Ploom X(プルーム・エックス)」だ。7月26日より同社のオンラインショップで先行販売が開始、8月17日からは全国のコンビニエンスストアやたばこ店でも発売される。 「Ploom X」は、単にPloomシリーズの最新モデルではなく、近い将来の世界展開を視野に入れた「次世代グローバルモデル」だ。というのもこのデバイスは、日本のJT本社とスイスのJTインターナショナルの双方が持つリソースを結集し、開発された先進のプロダクト。各国で異なる電圧などの規格を考慮し、そのまま海外でも販売・使用できる製品であることも、そのスタンスを示している。 加熱式たばこは現在、日本が最大の市場となっているが、従来の紙巻たばこに代わる製品として世界的に注目度が高い。その意味でも、次世代グローバルモデル「Ploom X」への期待は大きいだろう。 新技術「HEATFLOW」により、吸いごたえが向上 その特徴でまず目につくのは、スタイリッシュな造形だ。「Ploom X」は高温加熱型のデバイスだが、同じ高温加熱型の前モデル「Ploom S(プルーム・エス)2.0」よりもひと回りほど小さく細身となったフォルムで、デバイスの表面にはボタンを配置していない。シームレスで操作性に優れ、極めてシンプルなオブジェのようなデザインだ。 シンプルとはいえ、個性に乏しいわけではない。マグネットで着脱可能なフロントパネルは7色、背面にかぶせて使うバックカバーもファブリック5色とレザー2色の計7パターンを用意しており、ユーザーのニーズや好みに合わせたパーソナライズが可能。多様化する現代のライフスタイルにも対応する。 新しい加熱技術「HEATFLOW」により、吸いごたえが向上。なお、たばこスティックは12銘柄と多彩なフレーバーをラインアップ。先進のテクノロジーと熟練のブレンド技術の融合により、たばこ葉の風味と豊かな香りを楽しむことができる 吸い心地もこの上ない。前モデル「Ploom S 2.0」には、吸いごたえがないというユーザーの不満があった。そこでJTは、加熱温度の緻密なコントロールに加え、気流(空気の流れ)に着目した新技術を開発。「HEATFLOW」と呼ぶその加熱技術を搭載することで、従来モデルに比べ、吸いごたえを向上させることに成功した。 興味深いのは、Bluetooth(ブルートゥース)通信機能を搭載しており、スマートフォンと接続できること。スマホでもバッテリー残量を確認できるほか、最後に接続した場所をスマホで確認できるため、「Ploom X」を紛失した際、探すのに役立つ。 ===== インスタレーション作品のうち、奥の空間で展開されるのが、3方向を囲む大型映像とサラウンド音響に包まれる「Primitive Sense」。事前に選択したデバイスのカラーにより映像はインタラクティブに変化。当日の外部環境や時間によっても変化し、そのパターンは5040通りにも及ぶという 新しいデザイン、新しい加熱技術と、まさに先進の加熱式たばこデバイスだが、その世界観をアートで表現した体験型エキシビジョン「X_VISION inspired by Ploom X」が現在、東京・渋谷で開催されている(11月14日まで)。 アート制作を担当したのは、国内外から注目を集めてきたアート集団、ライゾマティクスより派生した「フロウプラトウ」。 会場に入り、1階の案内された先で「Ploom X」を体験しながら、フロウプラトウが手掛けた先進のメディアアートを鑑賞できるという趣向だ。自然界のアルゴリズムからアートを生成する「ジェネラティブアート」と呼ばれる手法によるインスタレーション作品を、五感で体感できる空間となっている。 2階には、上質なライフスタイル空間の中で「Ploom X」を体験できるショップエリアを開設。ラウンジスペースのほか、専任スタッフから詳しい商品説明を受けられるカウンタースペースも併設している(ここでは8月17日からの一般発売に先駆け、デバイスが先行販売されている)。 世界的に名高いライゾマティクスの遺伝子をもって表現された、JTの次世代グローバルモデル「Ploom X」の世界観。日本の加熱式たばこという戦場で、これからその名を多く聞くことになりそうだ。 ●エキシビジョン情報 「X_VISION inspired by Ploom X」 開催期間:2021年8月3日~11月14日 開催場所:東京都渋谷区宇田川町23-10 VIVEL渋谷1F・2F 営業時間:11時~20時 利用料金:無料(デバイス等の購入費は除く)