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<コロナ禍で学校にいけない子供たち。インドではリモート環境の整わない遠隔地で悲劇的な事故に子供が巻き込まれてしまった> コロナ禍に見舞われているインドで8月17日、オンライン授業を受けようとしていた少年が電波を求めて登った丘から転落して死亡する痛ましい事故が起きた。タイムズ・オブ・インディア紙によれば、少年はモバイルネットワークの電波を探して住んでいる村近くにある丘に登ったものの何らかの理由で滑落し、現地時間の17日夜に死亡したという。 インド東部オリッサ州のパンドラギューダ村に住む13歳のアディラ・ガガランガは、同州カタック市にあるミッションスクールの生徒だった。だが最近は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて自宅で授業を受けていたと、インディアTVニュースは報じている。 アディラが住んでいた村にはモバイル通信が届かないため、彼はオンライン授業を受けるときにはネットワークに接続できる場所を探して、近くにある小さな丘に頻繁に登っていたと、父親は語っている。しかし悲しいことに、アディラは何らかのきっかけで足を滑らせ、落下してしまった。 「私たちの村にはモバイルネットワークが届いていないので、息子は丘に登って接続し、オンライン授業を受けていた」と、父親のナラハリ・ガガランダはタイムズ・オブ・インディアに語った。「17日の午後も、息子は授業を受けようと丘に行った。そして授業中に、座っていた岩が突然転がった」 「転院の前に息を引き取ってしまった」 アディラは、パッドマプールの病院に搬送され治療を受けた。だが「息子は落下し、右脚を岩に押しつぶされた」と父親は言う。 「息子は、頭と脚、胸に怪我をしていた。医師からは、ブラフマプルにあるMKCG医科大学病院への転院を勧められた」と父親は話す。「しかし息子は、転院できる前に息を引き取ってしまった」 父親は、息子の事故原因は岩だと主張している。一方、インディアTVニュースは、アディラがバランスを崩した原因は大雨だったと報じている。タイムズ・オブ・インディア紙によれば、その地域一帯では、55の村でモバイルネットワークが整備されていないという。 インドではこのところ、新型コロナウイルスが猛威を振るっている。 ===== 本誌は今年5月、インドの1日の死者数が4500人に上り、世界最多を記録したと報じた。7月に入ってからは、同国の累計の死者数が40万人を超えた。その半数以上が、5月と6月に亡くなっている。 深刻な事態だが、さらに悲惨なことにインドの実際の死者数は、公式発表の10倍に上る可能性もある。「実際の死者数は、数十万人ではなく数百万人規模と見られる。インドにとっては、1947年にパキスタンと分離独立したとき以来の最悪の人的悲劇であるのはほぼ間違いない」と、米研究機関の世界開発センターの報告書は伝えている。 こうした事態を受け、インド国内の多くの州が感染拡大を何とか抑えようと、6月と7月に厳しいロックダウンを実施した。今回の事故も、そうした状況が招いた悲劇のひとつと言えるだろう。 (翻訳:ガリレオ)