<日本が中国による東シナ海や南シナ海、台湾海峡への軍備拡張への危機感を強めるなかでの中国の動きは何を意味するのか> 日本の防衛省は8月26日、中国の軍事用無人偵察機(ドローン)および哨戒機が飛行するのを3日連続で確認し、航空自衛隊の戦闘機を緊急発進(スクランブル)させたと発表した。日本が現在、この近辺で複数のパートナー国とともに一連の共同訓練を行なっているなかでの出来事だった。 自衛隊の統合幕僚監部によれば、24日から26日までの3日連続で、中国の無人航空機(UAV)が目撃された。公表された無人機の画像は、航空自衛隊の戦闘機が撮影したものだ。 統合幕僚監部が発表した飛行経路の図解によると、自衛隊は24日に、中国の無人機TB-001が1機、東シナ海を飛行していることを察知。翌25日には、偵察用無人機BZK-005が1機と、人民解放軍のY-9哨戒機が1機、Y-9情報哨戒機が1機、飛行しているのを確認したという。 25日に確認された中国機3機は、宮古島と沖縄本島のあいだの宮古海峡を横切り、国際空域を通って西太平洋へと抜けていったと、統合幕僚監部の声明にはある。 防衛省は翌26日にも、TB-001が1機とY-9が2機、同じ経路を再び飛行したのを確認。その後、TB-001が偵察と攻撃の両方の能力を兼ね備えた無人機であることを明らかにした。なお共同通信によれば、人民解放軍の無人機による日本の領空侵犯はなかった模様だ。 近辺では海上自衛隊が軍事演習 これらの無人機が目撃されたのは、海上自衛隊が目撃現場の近辺で軍事演習を行っていた最中のことだった。海上自衛隊は8月24日、英空母「クイーン・エリザベス」と共同訓練を実施。防衛省によれば沖縄の南の海上で実施されたこの演習には、日本の護衛艦「あさひ」と、ヘリコプター搭載護衛艦「いせ」も参加していたという。 また、海上自衛隊は8月26日にフィリピン海で、米印豪の海軍とともに共同訓練「マラバール2021」を開始したと、アメリカ第7艦隊が報道発表している。日本、アメリカ、インド、オーストラリアは、安全保障のための国際的枠組み「クワッド(日米豪印戦略対話)」のパートナー国だ。 日本側はここ数カ月、中国による東シナ海や南シナ海、台湾海峡への軍備拡張に関する懸念の頻度と緊急性を高めてきた。7月に発表した2021年度防衛白書でも、「危機感」を訴えている。 一方、自民党幹部は台湾の与党に対し、二国での防衛協議の実施を呼びかけた。これは、インド太平洋地域の集団安全保障に非常に大きな影響を与える可能性をもつ動きだ。この協議は、8月27日にオンライン形式で行われた。 対する中国は、国防部報道官の譚克飛が26日、月例記者会見のなかで、日本は中国による軍事的脅威を誇張していると非難。「日本が中国を口実にして自国の軍備を拡張するのは大きな間違いであり、無責任である」としている。 (翻訳:ガリレオ) ===== pic.twitter.com/QvTKIys8cV— 防衛省統合幕僚監部 (@jointstaffpa) August 26, 2021 pic.twitter.com/WWzxQHISeZ— 防衛省統合幕僚監部 (@jointstaffpa) August 25, 2021