もっと詳しく

リタイア後の資産運用として、若いうちは株式の比率を高めた「攻め」の積立投資をし、リタイア後には段階的に債券や現金の比率を増やして「守り」の要素を増やすのが良いといった内容をよく耳にする。しかし総論は良くても、各論となると、自分に適した資産配分の答えは一つに定まらない。リタイア後の資産運用が難しいのは、老後の資金計画を狂わせるような投資リスクは取りたくないが、資産寿命を伸ばすためには投資リスクを取るしかないという、相反する課題に折り合いをつけねばならない点にある。運用業界にて長年活躍する筆者が、「守りと攻め」のバランスが取れた資産配分を考える手がかりを、過去データの検証結果を踏まえて考察する。