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<農場主は20年以上にわたって食用の繁殖や飼育、販売を行っていた> 韓国の動物愛護活動家たちが、犬肉農場で撮影したゾッとするような複数の画像を公開した。韓国では犬食文化が今も残っており、こうした農場で電気ショックを与えて殺害した犬が食肉処理され、販売されている。 韓国南部の珍島にある農場で撮影された画像の1枚は、農場内の屠殺場に積み上がった大量の首輪とリード。ここで無数の犬が殺され、食肉処理されたことを物語っている。 そのほかの画像は、殺されずにすんだ65匹(数匹の子犬を含む)の犬たちで、動物愛護団体のLIFEとヒューメイン・ソサエティ・インターナショナル(HSI)韓国支部が保護している。 農場主はここで20年以上にわたって、珍島原産である珍島犬を飼育し、食肉処理して販売してきた。珍島犬は韓国から北朝鮮に贈られたこともある代表的な犬種で、韓国政府から「天然記念物」にも指定されており、法律上は保護することになっている。 動物愛護活動家たちが問題の農場を訪れたところ、複数の犬がワイヤーでできた小さな飼育用ケージに閉じ込められているのが確認された。地元住民の中には、農場の犬の怯えた鳴き声を聞いたと語る者もいた。 「ほかの犬の目の前で屠殺」は違法 HSI韓国支部の責任者であるナラ・キムは、声明の中で次のように述べた。「この犬肉農場にいた犬は全て珍島犬で、本来ならば保護されているべき犬種だ。だが可哀そうな犬たちは、不潔なワイヤー製のケージに閉じ込められ、飲食店の残飯を餌に与えられ、最も基本的な世話さえされず、人間の優しさにも一切触れてこなかった」 「韓国人であることに誇りを持っている私としては、犬肉農場の残虐さを目の当たりにするたびに腹立たしく思ってきたが、珍島で我が国の代表的な犬種までがこのような不当な扱いを受けているのを目にして、とりわけ強い衝撃を受けた」 地元当局によれば、問題の農場主は韓国の動物保護法に違反して、犬の屠殺をほかの犬の目の前で行っていた。韓国では、犬を殺して食肉処理することははっきり禁止していないが、動物を残虐な方法で殺すことや、同種の動物の目の前で殺すことは禁じている。 「犬が互いの目の前で、電気ショックによって殺されていた屠殺場を目にした時は、涙が溢れた。屠殺場には大量の首輪が山積みになっていた」とキムは述べた。「幸いにも、LIFEと協力して、これらの犬をあの恐ろしい場所から救い出し、今後一切、動物たちがあの農場のケージで苦しむことがないようにすることができた」 ===== 動物愛護団体HSI韓国支部のナラ・キムに救い出された犬(8月31日) JEAN CHUNG/FOR HSI 「当局が今後、問題の農場主を動物虐待罪で訴追する見通しだ。現在の動物保護法に、犬肉農場の犬たちを保護する内容はほとんど含まれていないなか、法執行当局者たちが、数少ない規則をきちんと施行していることには勇気づけられる思いだ。この残虐な産業を全面的に厳しく取り締まるために、食用目的での犬の繁殖や飼育、屠殺や販売の禁止を目指して、引き続き活動を行っていく」 珍島のこの犬肉農場は今は閉鎖されている。農場主は地元でレストランを経営しており、ここで犬肉料理も提供していたが、食用犬の飼育と同様、レストランでの犬肉料理の提供もやめることに同意したという。 農場から救い出された犬たちは現在、韓国南部の保護施設が世話をしており、今後は北米に送られ新たな買い主を見つけることになる。 HSIによれば、現在韓国には数千の犬肉農場があり、100~200万頭が飼育されていると推定される。 多くの韓国人は犬肉を食べる習慣がなく、韓国当局は近年、犬肉産業の取り締まりに向けた複数の措置を取っている。 犬肉産業の禁止を HSIイギリス支部のウェンディ・ヒギンズは、声明の中で次のように述べた。「多くの人が、犬肉産業に反対する考え方は西側諸国にしかないと誤解しているが、実際には韓国の多くの人が、犬肉を食べることには関心がない。動物たちの苦しみを終わらせるために多くの地元当局や政治家たちも尽力している」 「犬肉農場の近くに住んでいる人々からは、悪臭や犬の鳴き声による騒音について、当局に苦情が寄せられることが多い。これまでにも、我々が犬の屠殺場の閉鎖を手助けした際には、近隣住民から感謝されてきた。犬が苦痛であげる叫び声を聞くのは、堪えがたいことだからだ。韓国の人々は、犬肉産業に対する支持も共感も失いつつあり、政策立案者たちが取るべき次なる措置は、この産業を禁止することだ」