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埼玉の古民家カフェで開催された、子ども支援プロジェクト。子どもたちがじっと見つめる先には、デジタル上の仮想空間が。

【画像】NFT活用し子ども支援プロジェクト デジタルアートの可能性

すると、次々と容器の中に絵の具を垂らしていき、模様を作っていく。

出来上がったマーブリング作品。実は、子どもたちのアートとデジタルコンテンツを組み合わせた、新しい試みが行われていた。

TART 高瀬俊明代表取締役:今回、NFTを使う点としましては、例えば、お子さまたちが作られた作品自体を、デジタルアートの形にして、販売をすることで、作品を購入するという体験を通じて、支援を表明することができるようになります。

TART 高瀬俊明代表取締役:(NFTは)デジタル作品などを、限定個数、1枚限定とか、10枚限定といった形で、販売することができるようなフォーマットになっていまして

デジタル作品を通しての子ども支援プロジェクト。

NFTとは、デジタルコンテンツの所有状態を示す権利証明書。暗号資産でも使われているブロックチェーン技術を用いており、データの複製や改ざんが防げるほか、購入履歴なども残るため、作品が唯一無二であることの裏付けとなる。

今回のプロジェクトでは、子ども達が、一から制作したマーブリングを、デジタルキャラクターの模様として使用。そしてNFTを発行することで、専用のマーケット上で、販売することができる。

販売で得た収益は、プロジェクトを主催した日本財団に全額寄付。さらに購入したユーザーを可視化できるため、支援した人と作り手の新たな関係性を築くこともできる。

参加者の子どもは:(作品のタイトルは)こっちが爆発で、こちらがお花畑です。なんか、色んな色が混ざって爆発しているように見えて、とてもいい経験になりました。

日本財団は、今回のプロジェクトに、大きな期待を寄せている。

日本財団 経営企画広報部 高田祐莉さん:こういう子どもの居場所の活動とか、なかなか普段の生活の中で、なじみがない方も多いと思うんですけど、このNFTの購入とかを通じて、活動を知ってもらったりとか・・・

日本財団 経営企画広報部 高田祐莉さん:「子ども達が作っている」というところに、是非、驚いていただいたりとか。新しいNFTを活用した寄付の形が生まれていくといいかなと思っています。

三田友梨佳キャスター:ここでは(株)キャスター取締役CROの石倉秀明さんにうかがいます。NFTによって、デジタルアートの可能性が、広がっているようですね。

(株)キャスター取締役CRO 石倉秀明氏:そうですね。NFTは、デジタルコンテンツを、誰が、いつ、いくらで取り引きしたかだとか、所有権だったりとかが明確になる、新しい技術ですけども、アートとの親和性は非常に高いと言われているんですよね。このNFTによって、デジタルコンテンツを所有するのが当たり前になるという流れは、もちろんですけど、所有することの意味、その変化も起きてくるのではないかなと思います。

(株)キャスター取締役CRO 石倉秀明氏:例えば、今回の例で言えば、デジタルコンテンツを所有することで、自分は、この問題だったり、ここに関心を持っていて、だから寄付をしているという、意思表明でもある訳ですよね。そんな意味を持つような取り組みなんじゃないかなと思います。

三田友梨佳キャスター:作り手にとっても、自分が作ったものが、どんな人に、いくらで渡っていくかが可視化されるという、そのインパクトは大きいですよね。

(株)キャスター取締役CRO 石倉秀明氏:そうですね。自分の作品の所有者が、具体名で分かって、なおかつ、それをずっと追いかけていけるというところがありますから、やはり、作り手と買い手、この関係性は変化してくると思うんですよね。

また、誰が所有したかによって、価値が変わることがあるというのは、おもしろい点だなと思います。例えば、有名人が所有した場合、それが可視化されて、作品の価値が一気に上がるという例も出てくるんじゃないかなと思いますね。

三田友梨佳キャスター:確かにそうですね。そういう意味では、このNFTは、アート以外にも、あらゆる分野で活用例が広がっていきそうですね。

(株)キャスター取締役CRO 石倉秀明氏:はい、例えば、スポーツ分野であれば、誰がどれだけ買ったかとか、いくらで売ったかというのは、分かる訳ですから、転売目的の人を排除するということにもつながりますよね。またアーティストの分野ですと、本当にコアなファン1000人だけに向けて楽曲を作って販売をすると、そうすると大衆に知られたりとか、ライブなどをしなくても、ビジネスが成立する可能性もあるなと思います。

三田友梨佳キャスター:一方で、クリアすべき課題を挙げるとすると、どんなことがありますか?

(株)キャスター取締役CRO 石倉秀明氏:はい、やはり手数料の高さと取引通貨だと思いますね。今は、まだ、イーサリアムという暗号通貨でしか取引できないケースも多いですし、ひとつの作品を取り引きするのに、1万円以上の手数料がかかることもあって、参加のハードルが高いんですよね。なので、今後は、安心安全で、なおかつ多くの人が参加しやすい土壌作りがポイントになってくると思います。

三田友梨佳キャスター:テクノロジーによって、新しい価値を生み出すNFT市場ですが、そうした課題を乗り越えた先には、インターネットビジネスの世界を、さらに進化させていく可能性もありそうです。

(「Live News α」11月12日放送分)