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<富裕層や大企業による富の独占を許さないと息巻く習近平だが、もちろん自分の身内に適用されることはない> 国の習近平(シー・チンピン)国家主席が8月17日の演説で「共同富裕(みんなで豊かになろう)」を強調し、大企業や富裕層の間に動揺が広がっている。 習は昨年来、社会への富の還元を掲げて財界への規制を強め、巨大IT企業などに巨額の罰金や資産売却を科してきた。富のさらなる吸い上げを恐れる大企業は、中国共産党への忠誠と社会貢献を必死にアピール。電子商取引大手の拼多多(ピンドゥオドゥオ)は早速、農村開発プロジェクトへの寄付を表明した。 確かに中国は世界有数の格差社会であり、習は地方の貧困問題の解消に取り組んで成果を上げてきた。だが、「共同富裕」という甘い言葉の裏には大きな問題が潜む。 習は国民に向けて、富を独占する大企業や富裕層を摘発することで平等な社会を目指すと主張しているが、それには例外がある。中国共産党の指導層とその一族だ。彼らは規制の対象外で、中国メディアもその点には触れられない。 From Foreign Policy Magazine