洋上の海賊から宇宙の海賊、影で暗躍する殺し屋から銀河のランキングに載る殺し屋、サンドボックスとなったHaloリングから自由に探索できるキノコ王国、呪われた屋敷に呪われた夫婦、ネオン輝く都市からスピード勝負の砂漠まで、2021年のトップ10は多様性あふれるラインアップとなった。
- 『Marvel’s Guardians of the Galaxy』
- 『サイバーパンク2077』
- 『Halo Infinite』
- 『ヒットマン 3』
- 『スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド』
- 『Forza Horizon 5』
- 『ノーモア☆ヒーローズ3』
- 『It Takes Two』
- 『Sea of Thieves』
- 『バイオハザード ヴィレッジ』
見事1位に輝いたのは、Eidos-Montréalの『Marvel’s Guardians of the Galaxy』だ。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のコミックや映画でみられるユーモアは本作でも健在であり、声優たちの名演もあって、セリフを聞いていればとにかく笑える。さらに、ピーター・クイル、ドラックス、ガモーラ、ロケット、グルートの各キャラクターには、プレイヤーを満足させるエモーショナルな物語が用意されている。すべてのセリフに声が当てられており、口論や談笑、思い出話といった仲間たちのコミュニケーションを見るたびに楽しくなれる。原作の創意に満ちたSFならではのロケーション、そしてマーベルのスティーヴ・ディッコが遺した超現実的なアートワークの数々に、本作の鮮烈なビジュアルデザインが命を吹き込む。そこへさらに80年代の楽しいポップミュージックが鳴ることで、本作は私のためだけに作られたような、最高のゲームになった。
IGN JAPANでGOTY(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)を獲得した『サイバーパンク2077』は2位にランクインした。私は本作をXbox Series Xでプレイしたが、不具合が起こったのはほんの少しだけだった。前世代機でのトラブルのためにこういった注釈を入れなければならないのがもどかしい。しかしそれでも、ナイトシティという魅力的な世界や『ブレードランナー』を彷彿とさせるサイバーパンクの雰囲気は、私が本作の虜になった大きな理由だ。なお最後まではプレイできておらず、次世代機向けのアップデートが十分に完了したら再び遊ぼうと考えている。残念な部分もあったが、ほかのゲームでは味わえない体験ができるタイトルだ。
『Halo Infinite』の発売時期は12月と遅かったため、IGN JAPANが選ぶ2021年のGOTYにはノミネートすることができなかった。だが、発売以前から私はレビュー用ビルドをプレイしており、キャンペーンの大部分を遊ぶことができていた。本作では、初期の「Halo」作品にあったような爽快な銃撃戦を楽しめる。グラップルショットを活用すれば素早く立体的な動きが可能であり、自由度の高いサンドボックス世界のミッションにも多彩な形で挑むことができる。「Halo」が再びこういう形で遊べるのは実に素晴らしいことだ。
サンドボックスといえば『ヒットマン 3』も見逃せない。変装が重要となる「ヒットマン」シリーズだが、本作ではこの部分がさらに進化している。さまざまな方法で暗殺任務を遂行できるのはもちろん、殺人ミステリーの捜査をこのゲーム構造の「中で」行うこともできるのだ。そして『スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールド』は「サンドボックスのステージで遊べる3Dのマリオがあったとしたら?」という問いに答えてくれる良作だ。「サンシャイン」や「オデッセイ」のように独自要素がふんだんに盛り込まれた3Dマリオ作品であり、さらなる進化を見ることができる。
「Forza Horizon」シリーズで美しいビジュアルが楽しめることは、もはや言うまでもないだろう。『Forza Horizon 5』でも美しいメキシコの砂漠や都市を走ることになるが、無限大ともいえる自由度の高さがそこにはある。爽快かつスリルのあるドライビング体験が可能であり、何年にもわたってカジュアルに楽しめる作品だと確信している。
『ノーモア☆ヒーローズ3』は久々のナンバリングタイトル。満を持してトラヴィス・タッチダウンが戻ってきた。ゲーム自体の出来を単純に褒めるのは難しく、コンテンツ不足のオープンワールドに、テープでつなぎ止めたような強引なストーリーテリングが気になってしまう。だがパンク精神は本作でも健在で、須田剛一が手がけたほかのタイトルと同じく記憶に焼き付くボス戦が楽しめる。『バイオハザード ヴィレッジ』ではお化け屋敷のようなホラー体験が十分に楽しめたうえ、あのドミトレスク夫人はここ数年でもっとも印象に残る悪役としてそびえ立つ存在となった。
そして、またしても離れ離れで過ごすことになってしまった2021年、ほかの人と一緒にプレイできるゲームの楽しさはやはり際立っていた。『It Takes Two』は2人で遊ぶ協力プレイ専用タイトルであり、相手とだらだらしゃべりながら遊べる直感的なプラットフォーマーでありながら、ときに真剣な協力を必要とするゲームになっていた。『Sea of Thieves』は今年日本版にローカライズされたことで、ようやく私も友達や家族と一緒にお宝を見つける航海へ出られるようになった。このゲームではひとりひとりが海賊船の上で自分の役割を持って、チームに貢献することができる。あるいはただリラックスしたまま、ゲーム内の楽器を使って船乗りの音楽を演奏することもできる。どちらにしても、多様で素晴らしいビデオゲームがたくさん登場した2021年を締めくくるにはピッタリの遊び方になるはず!
著者: “Daniel Robson — [source_domain] ”