人形町に抹茶カフェ 経営者は元電通社員 早期退職で新しい働き方
2日、人形町にオープンした抹茶カフェ「ATELIER MATCHA」。店でたてた本格抹茶をカジュアルに楽しめるドリンクやスイーツを販売しています。使われているのは京都の老舗製茶問屋の抹茶で、カフェに乗り出すのは初めてです。
その立役者となったのが・・・、元電通社員の長尾千登勢さん(52)です。電通時代は大手企業や官公庁の海外発信を担当。30年近く勤めてきましたが去年12月に退職し、電通では難しかった中小企業や団体とのビジネスに打ち込めるようになりました。
「私が(忙しい間は)ちゃんと(取引先と)100%向き合うということができなくて、小さな素敵な企業を手伝う仕事っていう自分のやりたいことをやりたいなと思い辞めました」(元電通社員 長尾千登勢さん)
子どもは大学生になり、手が離れるようにはなりましたが、52歳での独立・・・。その不安を和らげ、退職を後押ししたのが、電通100%出資の子会社「ニューホライズンコレクティブ」の設立でした。このカフェのあるビルが活動拠点となっていて、早期退職を希望した40~50代の電通社員およそ230人の登録が決まっています。
長尾さんを含む元電通社員は個人事業主になるわけですが、ニューホライズンと▼10年間業務委託契約を結ぶことで仕事をもらい一定の収入が確保されるほか、▼仲間たちと情報交換したり協力したりすることができます。いきなりの独立はリスクがありますが、軌道に乗るまでの助走期間をサポートしようというワケです。
「(退職は)結構不安でいっぱいになるかなって思っていたんですけども、思った以上に(仲間が)すごく心の支えにもなるし、相談に乗ってもらえるっていう意味ではすごく価値を感じています」(元電通社員 長尾千登勢さん)
人生100年時代。定年に縛られず働ける自由を手に入れた長尾さん。このシニア層の独立を支援する取り組みは、他の会社でも広がる可能性があると話します。
「もうちょっと自分を生かせる場があるんじゃないかとか、たぶんそれって世代的な課題だと思うので、選択肢が増えるっていうのはすごくいいことなのかなっていうふうに思います」(元電通社員 長尾千登勢さん)