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ロシアの映画監督と女優がISSに到着、12日間滞在し軌道上での映画撮影に挑戦

Handout / Reuters

2020年、NASAはハリウッドスターのトム・クルーズがSpaceXの宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗し、宇宙での映画撮影を行う計画があることを認めていましたが、ロシアはその計画から”初”の文字を奪い去るつもりです。10月5日、ロシアの映画監督と女優ら撮影クルーが、ソユーズ宇宙船で映画『The Challenge』の撮影のためにISSに到着しました。映画クルーの滞在期間は12日間の予定です。

この映画は、宇宙飛行士の命を救うために国際宇宙ステーションに派遣されたロシア人医師の奮闘を描くという内容とされます。監督のクリム・シペンコはコメディ作品『Son Of A Rich』を(ロシア国内で)大ヒットさせた実績があり、女優のユリア・ペレルシドは映画だけでなく舞台での経歴も持つとのこと。両氏は打上げに先だって、宇宙飛行士が受ける訓練をこなしており、その様子はロシアのテレビでも報道されていました。

ちなみに、ロシアの映画クルーは12日間で再びソユーズに乗って地上に戻りますが、宇宙飛行士でない民間人のISS滞在は今後も続きます。12月には、日本の前澤友作氏と、前澤氏が設立した「スペーストゥデイ」社の映像プロデューサーの平野陽三氏が、米国の宇宙旅行斡旋企業「Space Adventures」を通じて予約したソユーズに搭乗し、やはり12日間滞在します。

そして2022年2月下旬には、SpaceXのCrew Dragonのシートを購入した3名を含むクルーがISSに向かう予定になっています。

最近は宇宙を舞台とする映画でISSが描かれることも多く、その再現度も目を見張るものがありますが、さすがにISSの”現場”で撮影した映像が劇場用映画に使われるのはおそらく初。どのような出来栄えになるのかは気になるところです。

(Source:New York TimesEngadget日本版より転載)