今日は7月7日で何の日ですかと聞かれれば、日本人はまず間違いなく「七夕」と答えるかと思います。ただ、中国人にとっては今日は単純にそうはいかず盧溝橋事件の起こった日となります。
1 『環球網』のアンケート
正直、ここのところ精神状態がまともでないこともあり、きれいさっぱり忘れていました。
たまたま『環球網』お得意のアンケートで「指摘されないと、今日が何の日か思いだせませんか」というのをやっており、それを見てやっと思いだしたところです。
ただ興味深かったのが、7月7日の22時現在、「覚えている」が87%で、「忘れていた」が13%だったという点です。
『環球網』は『人民日報』傘下の『環球時報』の電子版で、中国愛国主義者御用達のメディアで、正直記事はかなり偏っております(中国紙『環球時報』は日本に対して批判的か?)。
ただ、電子版は紙と比べて、アクセス数を稼ぐためか色っぽい写真を載せたりするなど、少し毛色が違うところがないでもありません。
そういう意味で、知らない人がいても何の不思議でもありませんが、一割を超えていたというのは少し以外でした。
2 関心
中国共産党にしてみれば、政権の正当性が日本の侵略を打ち破ったということにあるので、当然その侵略の始まった日というのは大事となります。
結果、それが強調され、斯様なアンケートが行われているということかと思います。
もし中国が本当に良く言うように世界第二位の経済大国として日本を歯牙にもかけないのであれば、私はこうした意識も徐々に変わってくるのではないかと期待はしております。
ただ、中国共産党こうした立場をとっているかぎり難しいでしょうし、中国が日本を意識しなくなることはそれはそれで寂しいことかと考えます。
3 何の日
ただ、気を付けなくてはならないのは、中国滞在中もしくは中国語で情報を発信する際にはこうしたことを念頭におかなくてはならないことです。
以前書いたとおり、2015年7月7日に、在中日本大使館が、中国版ツイッター・微博で七夕を祝うメッセージを書き込んだところ、炎上騒ぎが起こっています(なんでもない8月9日と七夕の7月7日)。
かといって日本で中国人と話す際に、盧溝橋事件を考慮して話さなくてはならないかというと、それはそれでかえっておかしいと思います。
実際、日本人の大半は知らないわけで、それを無理やり知れと強要されるのも変な話です。
4 最後に
実際、『環球網』の読者ですら1割の人が忘れていたわけですから、普通の中国人もどれだけ意識しているかという話です。
特に若い人となれば、その率はもっと下がると考えて良いかと思います。
それに忘れていないといっても、中国のテレビを見れば必ず盧溝橋事件関連のニュースが流れていたはずで、こうしたことから思いだしただけという人もいるかと思います。
そういう点からもあまり気にしすぎるのもどうかというのが私の意見です。