Steamにて、とある癒やし系のアプリケーションが人気上位となっているようだ。『Chill Corner』は、昨年12月18日に配布開始されたリラクゼーションゲーム。対応プラットフォームはPCで、無料にてダウンロード可能。日本語にも対応している。
『Chill Corner』の内容はシンプルだ。画面には立方体状の小部屋が映し出されている。バックには心休まるLo-FiのBGM。室内には、ごろごろとくつろぐペットが一匹と、住民キャラクターが一人何らかの作業をしている。ではこのキャラクターを操作して謎解きをするのかというと、そういうわけではない。ただワンルームで、一人と一匹が過ごす時間を眺め続けるだけなのだ。
部屋の環境はさまざまに変更することができる。たとえば天候が晴れのときは外から鳥のさえずりが聞こえるし、雨にすればしとしとと降りしきる音がBGMに加わる。ときには雪の日に設定して、しんと冷え切った空気を想像してみるのもいいだろう。部屋の内装としても寝室やリビングなどが選択可能だ。
ゲーム的な要素としては、本作を起動して放置しておくと、徐々に「チルタイム」と呼ばれる通貨が貯まっていく。これを消費することで、部屋のなかに置ける観葉植物やアクアリウムなど、さまざまな家具を入手することが可能だ。家具によっては、クリックで水やりができるなど、ささやかなインタラクト要素があるものも。部屋を完全な空き家にしてスタートすることもできるため、好みの部屋をコーディネイトすることもできそうだ。本作で流れる楽曲は、デフォルトのアルバムでも22曲を収録。そのほか、有料DLCとして新たなアルバムを買うこともできる。
ほぼゲーム要素を削ぎ落したミニマルな作品ながらも、本作は配布開始から3週間で1000件以上のSteamストアレビューを獲得。ステータスは非常に好評となっており、Steamの話題の新作にも顔を出している。無料ということもあり、多くの人が手を出しているのだろう。レビューとしては、作業用BGMとしてバックグラウンドで起動させている人が目立つ。本作には一定時間経過後にアラームを設定できる機能もあるため、仕事や勉強に集中するツールとして使用している人もいるのだろう。
ただし本作については当初、問題点も指摘されていた。人によってはGPU使用率が非常に高くなるようだ。一見、負担のかかる演出はまったく見られないものの、Steamストアレビューによれば、GPU使用率50%以上を示すケースもあったようだ。このことから、一部のユーザーからは暗号通貨マイニングツールではないかとの疑いもかけられていた。
こうした懸念に対し、公式から声明が出されている。いわく、バージョン1.0.5以前には、ゲームはつねにグラフィックモード「ウルトラ」で稼働しており、fpsにも上限がなかった。そのためGPUの使用率が高くなり、とくにハイエンドVGAにてその傾向が顕著だったという。開発者いわく、これはUnityゲームのデフォルト設定であり、デベロッパーが制御できる範疇にはないとのこと。
バージョン1.0.5以降はグラフィッククオリティとfpsの上限を変更可能となったため、プレイヤーの環境にあわせたセッティングが可能となった。試しに実証したところ、筆者のミドルスペックGPU(NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER)の場合、デフォルト設定の「画面サイズ1280×800、グラフィック品質「高い」、60fps」でGPU使用率9%程度。最高設定の「画面サイズ1920×1080、グラフィック品質「ウルトラ」、120fps」でGPU使用率33%であった。用途と自身の環境に合わせて調整するといいだろう。
『Chill Corner』はSteamにてPC向けに無料配布中だ。
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