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(スタッフ通信【介護の現場から】~[e-MESSAGE]第111号)

梅の花が満開を迎えました。
鶯の声をききましたか?
朝の夕子です。
 
今回は、最近、
慢性硬膜下血腫で手術を受けられた方のお話です。
慢性硬膜下血腫とは、頭をぶつけた後、
数か月くらい経ってから症状が現れるという、
脳の表面に血液が溜まる病気です。

骨折や切り傷、擦り傷など、
その事故当時に出現する場合と違って、
頭がい骨の中のことで容易にわからず、
体の動きや意識状態、認知状態が悪くなってくるために、
「頭をぶつけたあの時の?」と、
時をさかのぼった事故の症状が現れます。
頭をぶつけたことを知っていなければ、
「最近、認知症が進行して、介護が大変なのよ」と、
この病気を見逃してしまう危険があります。

 
年明け早々、私の勤務するアミーユへ
自宅介護は限界・・・という方の相談がありました。
ご家族はとても熱心で、
日常の様子をとても細かに把握して介護しておられましたが、
「夜、眠らなくなってきた」「一人で出かけてしまって危険がある」など、
家族が心休めない状況が続いていたそうです。

初めてご本人様に会った時には、
すこし活力が低下しているような感じがあり、
夕べもあまり眠れなかったので・・・という説明に納得していました。
入居されてからも、落ち着きなく動かれ、
ずいぶん激しい言動も見られます。
穏やかな方だとうかがっていたイメージと
ずいぶん違うなぁと思いましたが、
すべては、入居間もないことでの混乱、
下腿の浮腫など体調が悪いせいだろうと、
引き続き状況に合わせた援助をさせていただいていました。


首は前傾し、左手はグーにして使用されず、
食事も自分で食べられないなど、
日増しに多くの介助を要するようになっていきました。
入居されて2週間、右脳梗塞既往の方ですから、もしや再発か?
とも思い、CT検査を受けていただいたところ、
慢性硬膜下血腫が分かり、すぐに血腫除去術を受けられました。
術後、すぐに左手が使えるようになり退院されました。


あれから2週間、
入居当初のような
落ち着きのないそわそわした感じはありません。
手術前は、椅子を倒してまわられるので、
困ってしまって「椅子を倒すと椅子が壊れます。
倒さないでくださいね」とお願いすると、
「椅子を倒した? だれが?」
「まぁ、私がそんなことをしましたか、許してください」
というようなやり取りがあったことを思い出します。
故意的なものではなく、せん妄状態だったのかもしれません。


慢性硬膜下血腫は、「治る認知症」とも言われます。
(すでに認知症の方の場合、その手術後は、
頭をぶつける前頃の認知状態までの回復です。)
 
認知症ではない方では「最近、認知症になったみたいだ」とか、
認知症の方でも、今までと様子がおかしい・・・と言う時には、
「認知症が進んだ」と思わず、
頭の検査を受けることが大切です。
血液サラサラの薬を服用している方は、
出血量が多く命に係わる場合もあります。

転んで頭をぶつけたことが確かな場合はもちろんですが、
日々の身体的・精神的な変化を細やかにみていくことが、
早期治療、早期回復へつながり、
今の生活を継続できることへつながると思います。

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