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北朝鮮メディアが9日午後、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が出席して、9日未明に行われた祝賀パレードの映像を公開した。

パレードに出席した金正恩総書記は、灰色のスーツ姿で現れた。

金総書記をめぐっては、韓国の情報機関・国家情報院が、7月、「体重が10kgから20kg減った」と分析していたが、さらに体型がスリムになったように見える。

パレードは民間の準軍事組織「労農赤衛軍」が参加し、オーケストラの生演奏に合わせて部隊の行進が続いた。

中には、全身をオレンジ色の防護服で覆い、顔に防護マスクをつけた部隊が登場。

新型コロナウイルス対策を担う「非常防疫部隊」だという。

2021年1月に行われた軍事パレードとは異なり、朝鮮人民軍の軍人や、ミサイルなどの大型兵器は登場しておらず、韓国メディアは「アメリカや韓国を刺激せずに国際社会の注目を集める狙いがある」と分析している。

このニュースについて、フジテレビ・風間晋解説委員に聞いた。

三田友梨佳キャスター「今回のパレード、どう読み解きますか?」

風間解説委員「何のパレードであっても、1番注目されるのは、先頭に立つ人たちですよね。今回その栄誉によくしたのは、水害の復旧に取り組んだ首都・平壌(ピョンヤン)市の党員部隊だったそうです。新型コロナの防疫を担当する部隊や青年学生組織も行進しました。党幹部が演説した心を一つにして団結し、その力で現在の難局を打開していくというメッセージがパレードにも表れていました。経済制裁、自然災害、新型コロナの三重苦にある金正恩総書記は、みんなで頑張ろうと訴える機会にしたと思います。北朝鮮の新型コロナの状況は定かではないんですが、ワクチンの接種が行われている様子はほとんど見られませんで、戦いの先は見通せないんです。パレードが照明が映える深夜に行われて、そのあとは青年学生の夜会も行われたといいます。しばし楽しんでほしいという、そういう趣旨にも思います」

三田友梨佳キャスター「金総書記の演説もなく、ミサイル兵器もない異例のパレードとなりましたが、そこには国の内外に向けた強いメッセージがあったようです」