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駅から小学生の女の子のあとをつけ、わいせつな行為をした疑いで、西武鉄道社員の男が逮捕された。中野聡容疑者(27)は、今年6月27日午後6時すぎ、東京・品川区の京急線立会川駅から、小学校高学年の女の子のあとをつけ、マンションの敷地内で、衣服の上から女の子の体を触った、強制わいせつの疑いが持たれている。

【画像】逮捕された中野容疑者は「捕まるリスクの少ない小中学生を狙っていた」と供述

被害者の女の子が「変態、変態」と叫んだため、中野容疑者は逃走。女の子は追いかけながら、防犯ブザーを鳴らし、助けを求めたという。その後、女の子は、現場に居合わせた男性とともに、交番に駆け込んだとのこと。警視庁は、防犯カメラの画像解析などから、中野容疑者の犯行を特定した。

警視庁大井警察署の調べに対して、中野容疑者は「私がやったことい間違いありません」「女の子の体つきを見て、興奮を覚え、体を触りたくなって、人気のない場所で触ろうと思い、あとをつけた」「成人女性では反抗されたり、捕まってしまうリスクがあるので、リスクの少ない小中学生を狙っていた」と供述している。何たる卑劣な犯行か。

チカン被害に遭った際、被害者は「声が出ない」状態に陥ることがあると聞く。特に子どもだと、その恐怖は察するに余りある。ところが、今回の被害女児は、とっさに「変態、変態」と叫ぶことができた。そして、すかさず防犯ブザーに手を掛けている。怖い思いを振り切っての行動は立派だ。

ところで、この防犯ブザーが、意外な”盲点”であることをご存じだろうか。かつて国民生活センターが調査したところ、対象の児童が持つ防犯ブザーの半数以上が、「電池切れ」や「故障」などの状態だったとのこと。

確かに、我が子に防犯ブザーを持たせていることだけで”安心”してしまい、ちゃんと作動するか、確認を怠っている家庭は少なくないのでは?学校でも防犯訓練を受けていると任せきりにしていないか。娘を持つ身である私も含めて、この”変態”事件を点検の機会としたい。

フジテレビ報道局・解説委員 平松秀敏