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アメリカと中国は10日、温室効果ガスであるメタンの排出削減など、気候変動対策で協力して取り組む共同宣言を発表した。

アメリカ・ケリー大統領特使「われわれは新たな1歩を踏み出し、現在と未来の協力関係のためのロードマップに到達した」

発表された共同宣言では、「パリ協定」に基づき、世界の平均気温の上昇を産業革命前の1.5度以内に抑えるため、両国が協力し対策を強化するとしている。

また、中国が、二酸化炭素の20倍以上の温室効果があるとされる「メタン」の排出削減の計画を2022年のCOP27までに作成するとしたほか、石炭の消費量を段階的に削減していくことも明記された。

また、2020年代の対策が重要だとして、状況の検証や対策の強化を話し合う作業部会を設置するとしていて、今回の宣言はCOP26の議論をリードしたい思惑があるとの見方もある。

このニュースについて、フジテレビ・風間晋解説委員に聞く。

三田友梨佳キャスター「米中の対立が進む中でなぜ共同宣言が出されたのでしょうか?」

風間解説委員「米中が実際に協力してCOP26で成果を上げていれば、わざわざこれから協力していくと言って見せる必要はないわけです。しかも、共同宣言なのに、同じ会場を使ったのに米中の代表はそれぞれ別々に会見しました。何か変じゃないですか。米中関係全般の悪化がCOPにもマイナスに影響したと思います。何か策を講じないと、米中関係も気候変動対策も落ちる一方になりかねません。そこで、これから10年、気候変動での協力を公に約束しました。米中の競争関係が抜き差しならない局面に差しかかっても、気候変動での協力が安全装置として働けば衝突は回避できます。来週にもとされる米中首脳会談では、厳しい議論が予想されますが、気候変動対策での協力は首脳同士でも確認するはずです」

三田キャスター「共同宣言では『協力』は強調されましたが、具体的な数値目標には乏しく、どれだけ対策を強化していくのか注視していく必要がありそうです」