
「αism」。
競わずに楽しめて、スポーツがアートになる。
何やら、道端でスマホをのぞきこむ子どもたち。
その画面に映っていたのは…。
自らが走って歩いた軌跡がアートになる。
人気急上昇中、GPSアートの魅力とは。
京都市内の小学校で行われていたのは、スマートフォンがあれば誰でも楽しめる、“GPSアート”のイベント。
GPSアートとは、スマホに搭載されている位置測定機能「GPS」を使って、移動した軌跡を記録し、地図上に絵や文字を描くというもの。
比較的簡単なデザインのものから、少し複雑な形の文字や動物、中にはまさに芸術作品のような緻密なものまで、好きな時間に好きなペースでできることから、コロナで運動不足になりがちな今、楽しむ人が増えている。
指導しているのは、世界でただ1人という、プロGPSランナーの志水直樹さん。
競わないランニングの文化を広めたいという思いから、5年前にこの活動を始め、これまで日本を含む10カ国で、およそ900の作品を描いてきた。
プロGPSランナー・志水直樹さん「(コロナで)集まりたいけど集まれない、体を動かしたいけど動かせない。閉鎖的になっている今だからこそ、やりたいと思っています」
この日行うのは、街中のごみを拾いながらアートを描く、GPSプロギング。
地元企業の野球部の皆さんも協力しながら、3つのグループそれぞれが、ある文字を描く。
使うのは、無料のランニング用アプリ。
歩く道順は志水さんだけが知っていて、ごみ拾い中の歩きスマホは禁止。
大人も子どもも、ごみ拾いに夢中。
休憩で立ち寄った公園で、アートの進み具合を確認する。
こうして、楽しみながら歩き続けること、およそ1時間。
ようやくゴール。
このグループが描き上げたのが、アルファベットの「C」。
そして、ほかの2つのグループと合わせて、できた言葉は「ECO(エコ)」。
参加者「コロナ禍でいろんなことをさせてあげるのが難しかったので、とてもいい機会になりました」
参加者(小3)「1人でゴミ拾いするより、みんなで楽しくゴミ拾いをした方が楽しいかなと思って」
参加者(82)「歩いて、ゲーム感覚で参加できるってすごくいいですね。わたしが元気なうちは、歩けるうちは歩きたいなと思っているので」
全ての人に健康と福祉を。
スポーツと芸術の融合で、GPSアートの可能性は、さらに広がっている。
プロGPSランナー「1番のポイントは競わない点なので、遊ぶように多世代が楽しみながら、問題を解決していく糸口となる。そんな活動を広げていきたい」