電動キックボード 「ヘルメット」の着用義務がなくなる?
最近街で見かけるようになった「電動キックボード」ですが、今年交通ルールが変わるかもしれないということをご存じでしょうか?
2021年12月、警視庁が改正道路交通法案を発表し話題になりました。この法が可決されると、現在義務化されている「電動キックボード」に乗る際のヘルメットや運転免許が不要になると言われています(性能上の最高時速が時速20km以下のものに限る)。
これから具体的な内容を検討していくようですが、「電動キックボード」のような超小型電動モビリティーのルールは今後どうなっていくのでしょうか。
今回は、電動キックボードを「知っている」と答えた全国の男女計2,198名を対象に「電動キックボード」についてアンケートを実施しました。
調査手法 | インターネットでのアンケート ※自社運営のアンケートサイト「ボイスノート」を利用して調査を実施 |
調査対象者 | 男女 |
調査期間 | 2021年1月3日~1月6日 | 質問内容 |
質問1:電動キックボードを利用してみたいですか? 質問2:回答の理由を教えてください。 質問3:現在は電動キックボードを運転する際に「運転免許」が必要だということを知っていますか? 質問4:クイズ! 電動キックボード使用時に義務付けられているものはどれでしょう?[複数回答可] 質問5:電動キックボードが公道を走る場合、どのような法律やルールが必要だ(あったほうが良い、あってほしい)と思いますか? |
集計対象人数 | 2198名 |
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
「利用しようと思わない」と回答した方は62.3%
「電動キックボードを利用してみたいか」のアンケート結果は以下のようになりました。
それぞれの回答をした方にどうしてそう思ったか理由も答えていただきました。
「すでに利用している」を選んだ理由
-
近場を移動するときに楽。(20代・女性)
-
便利で快適です。(40代・男性)
「ぜひ利用したい」を選んだ理由
-
マンションの自転車置き場が満員で置けないため、キックボードなら自宅に置いていても邪魔にならなそうで、外出も楽にできるから。(30代・女性)
-
20キロくらいで移動できれば出勤するときに使えるから。(50代・女性)
-
便利そうだから。(30代・男性)
-
操作が楽しそうだから。(10代・女性)
「機会があったら利用したい」を選んだ理由
-
どんな乗り心地なのか一度試してみたいから。(30代・男性)
-
子供の頃電動ではないキックボードにハマってたので、電動のキックボードにも乗ってみたい。(20代・女性)
-
利用したことないし、面白そうだから。(40代・男性)
-
面白そう。コナン君が乗ってるようなやつなら乗りたい。(40代・男性)
-
買ってまで乗ろうとは思わない。(50代・女性)
「利用しようと思わない」を選んだ理由
-
乗るのがなんだか恥ずかしい。(30代・女性)
-
事故やトラブルに巻き込まれる可能性が高いから。(60代・男性)
-
危ない事故が最近発生しているし、車を運転しているため必要ないから。(20代・女性)
-
転んで自分が怪我をしたり、他の人に当たってその人に怪我を負わせたりする危険性があるからです。(40代・男性)
-
法整備すらされていないものに乗らない。(50代・男性)
-
法的に曖昧な乗り物に乗りたくない。(40代・男性)
「すでに利用している」と答えた方からは近場の移動が快適になったという意見が多かったです。
「ぜひ利用したい」「機会があったら利用したい」と答えた方からは「楽しそう」「一度乗ってみたい」「気持ちよさそう」など「普段使いする」というよりも、アクティビティとして乗ってみたいという方が多いようでした。
「利用しようと思わない」と答えた方の中では「危険に感じる」「法律が定まっていないので乗るのが不安」という意見がありました。
現在は電動キックボードを運転するには運転免許が必要 31.1%の方が「知らなかった」
現在の法律では「電動キックボード」に乗るとき、原付免許以上の運転免許を保持していないと乗ることができません。そのことを「知っている」と答えた方は68.9%で「知らない」と答えた方は31.1%でした。
「電動キックボード」のような超小型電動モビリティーの交通ルールでは認知の差が目立つ結果となりました。
そこで、こんなクイズを出してみました。
クイズ! 電動キックボード使用時に義務付けられているものはどれでしょう?
現段階で「電動キックボード」に乗るために義務付けられているものはどれかを選んでいただきました。(複数回答可)
選択肢はヘルメット、ナンバープレート、ブレーキ、自賠責保険、バックミラー、ウインカー(方向指示器)、防犯登録、車検証、ライト、グローブの10個です。みなさんの回答はこちら。
現在「電動キックボード」は「原付バイク」と同じ扱いになっているので、正解は「ヘルメット、ナンバープレート、ブレーキ、自賠責保険、バックミラー、ウインカー(方向指示器)、ライト」の7つでした。
ですが、国からの特例で認証を受けた事業者による「ヘルメットなしでも利用することができる電動キックボードの実証実験」が一部地域で行われている場合があり、ヘルメットが義務になっていない場合もあります。
こういったことから「小型電動モビリティーの交通ルール」が曖昧だと感じる方がいるのかもしれません。
「電動キックボード」には車検もありません。原付同様、標識交付証明書が発行されます。譲渡などする際にはこちらを使います。防犯登録もグローブ着用も現在は義務ではありません。
免許不要に心配する方も
最後に、電動キックボードについてどのような法律やルールがあってほしいか聞いているので、一部を紹介します。
-
原動機付自転車と同レベルの規制がないとダメだと思います。(40代・女性)
-
どういうところでは降りて歩くべきか等をはっきりしてほしい。(30代・女性)
-
車の自賠責保険みたいな仕組みは必要だと思う。(50代・女性)
-
接触が起こる可能性が多いので、きちんとした講習義務が欲しいと思います。(60代・男性)
-
自転車専用道路みたいなのがあるといいと思いました。(20代・女性)
-
車と同じレベルの法律など、きちんとしたものがあれば、安心材料の一部にはなるのかと思いますが、あのようなものが、公道を走るだなんて、嫌です。(40代・女性)
「原付バイク」程度の規制を求める声が多くありました。また、歩道への侵入や保険の義務など、現在曖昧だと感じている交通ルールをはっきりと規制してほしいと望む意見もありました。
免許制の導入や講習を受けなければ乗れないなど、改正道路交通法案に後ろ向きな意見も多かったです。
まとめ
全国の男女3,000名を対象に、「電動キックボード」についてアンケートを実施しました。
徐々に認知度が上がっている「電動キックボード」ですが、交通ルールは意外と認知されていませんでした。それは、ルールに一貫性が無かったり、曖昧な部分があることが原因になってるのかも知れません。
これから利用者が増えていくであろう「電動キックボード」。便利な反面、事故が多発しやすい乗り物だからこそ、しっかりとした交通ルールが必要だと感じました。