働く人に役立つプラスαな考え方に注目する「αism」。
小さな缶タイプの日本酒に込められた大きな未来を見つめた。
江戸時代から続く老舗の酒蔵「松岡醸造」。
こちらでは2021年、新たな取り組みを始めた。
松岡醸造 専務取締役・松岡奨さん「どうしてもコロナで大容量のお酒が動きにくい状況で、新しい日本酒の見せ方、販売方法として、小容量の缶でお酒を展開する」
松岡醸造が参加したのは、日本酒を缶容器に入れて販売する「Ichi-Go-Canプロジェクト」。
運営するAgnaviが2021年1月に行ったクラウドファンディングでは、目標の10倍を超える1,100万円以上を集めたプロジェクト。
一般的に酒蔵の多くはお酒の瓶詰めを自社で行うため、新たな機材の調達が必要な缶の容器の導入はハードルの高い挑戦だった。
しかし、今回のプロジェクトでは、取り組みを運営する企業が機材の調達や充填を請け負うことで、規模の小さな酒蔵でも日本酒缶を導入しやすくした。
今回参加した松岡醸造も、その魅力を感じていた。
松岡醸造 専務取締役・松岡奨さん「缶だと光を通しませんし、風味を損なうことなく輸送できる。海外輸出していこうと思うと、どうしても送料など重量ベースでかかってきてしまう。瓶だと重くなったりする。(缶は)輸送コストが下がるし、お酒の質も良くなるし利点しかない」
輸送のハードルが下がり、酒蔵から遠く離れた北海道や沖縄などにも消費が広がった。
今後は、海外にも販売地域を広げていく計画だという。
広がったのは消費地域だけではない。
小容量で「保管しやすい」、「飲み切るのにちょうどいい」と、日本酒を普段飲まない若い世代からの購入が増えた。
Agnavi 代表取締役CEO・玄成秀さん「これまで消費という面において、50代から60代が主流であった。(日本酒缶は)20代、30代をピークにするようなマーケティングができる。それが缶が持っているポテンシャル。日本酒に対する新たな市場開拓の機会なのではないか。今の日本酒市場からさらに5%足す、105%。ここを目指していきたい」