話題のツイート 実は意外な物語が…
今、あるツイートが大きな反響を呼んでいる。
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こんな事してくれる会社ある!?!?
読んだ瞬間涙目になった
SNSにつぶやきを投稿したのは、四国に暮らす瑞月(みずき)さん。きっかけは、長女の小学1年生、葵(あおい)ちゃんの一言だった。
葵ちゃん:
“ひじきのり”ある?
「ひじきのり」。それは初めて耳にする食べ物の名前。
葵ちゃんは、この春から通い始めた小学校で給食に出てきた、ご飯にのせて食べる「ひじきのり」のおいしさに衝撃を受けた、というのだ。
瑞月さん:
ちっちゃい袋に入ってて、「ひじきのり」って平仮名で書いてるのっていうのを熱弁されましたけど、全然わかんなくて。
その後も、ことあるごとにせがまれた。仕方がないので、食べたことはないが、想像で作ってみることに。すると・・・
葵ちゃん:
これはこれでおいしいけど…違う!
瑞月さん:
ひと口食べて、ズバッて切られました
こうなったら、給食で出たという「ひじきのり」そのものを探すしかない!インターネットで検索すると、販売元は福岡県にある「タカ食品工業」とわかった。
正式名は、「Feひじきのり」。
ネット注文できるという。そこで・・・
葵ちゃんの誕生日が近づいていたため、40個入りを2パック、誕生日プレゼントの1つにしよう、と考えたのだ。
ところが問題が・・・
葵ちゃんの誕生日は9月5日だが、最速の発送日は、9月8日。これでは誕生日には間に合わない。
瑞月さん:
「まぁ、でも仕方ないか」って言いながら…。とりあえず、そちらの会社が作ってる「ひじきのり」をすごい熱望してる6歳児がいるっていうのを伝えたくて。
瑞月さんは、発注の備考欄に、ダメ元でこんなメッセージを書き込んだ。
備考欄のメッセージ:
今年1年生の娘が給食でひじきのりを食べて衝撃を受けたようで、どうしても食べたい、家で食べたいと一ヶ月以上粘られ、誕生日が9月5日なので、間に合えばと思い、早めに発送していただけると大変嬉しいです・・・!
「給食のジャム」を発明 創業73年の老舗
小学1年生の葵ちゃんが愛してやまない、給食の「ひじきのり」を作っていたのは・・・
福岡県にある、食品メーカー、創業73年の「タカ食品工業」。
ご存じ、給食の「小袋入りジャム」は、この会社が元祖。現在も全国でトップクラスのシェアを誇る。いわば給食を縁の下で支えてきた企業だ。
日本が世界に誇る「学校給食」は、昭和27年から全国の小学校で本格的に始まった。栄養バランスを考えた、飽きさせないメニューで、育ち盛りの子どもたちの体と健康を支えてきた。
タカ食品が創業した昭和20年代当時、給食のジャムは、一人ずつスプーンで取り分け、皿に盛り付けられていた。これでは分量もバラバラ、衛生的でもない。そこで先代の社長が考えたのがジャムの個別包装。
機械を独自開発し、やがて給食になくてはならないものとして浸透していった。
ところが昭和51年、順風満帆だった会社に大きな転機が訪れる。
学校給食に「米飯」が導入されたのだ。当然、パンにつけるジャムの需要は激減。
だが、新商品のアイディアは浮かばず会議は行き詰まっていった。
そんなある日、対策の陣頭指揮を執っていた常務が思いついたのは、ごはんのお供にぴったりの「のりの佃煮」。これならジャムを、のりの佃煮に替えるだけ・・・
起死回生のアイデアだった。
大塚直社長:
確かにジャムと同じことから考えたら、需要がたぶんあるだろうという風に期待しました
狙いは的中。
個別包装の「のりの佃煮」は会社のピンチを救ったのだった。
その「のりの佃煮」に栄養価の高いひじきと鉄分を加え、甘めの味付けにしたのが、あの「Feひじきのり」だ。
しかし、再びピンチが訪れる。
去年春、新型コロナウイルスの感染拡大で学校が休校に・・・
大塚直社長:
この時の単月での売り上げの下がり方っていうのは、過去では1番厳しかったというふうに思っています
今年になっても全国的に感染が拡大。
売り上げは100%の回復にはほど遠い状況・・・
「ひじきのり」を熱愛する葵ちゃんのための注文は、そんな中で届いたものだった。
備考欄のメッセージ:
誕生日が9月5日なので間に合えばと思い、
早めに発送していただけると大変嬉しいです・・・!
誕生日のサプライズ
発注を受け、備考欄のメッセージに気がついた通販担当の社員は・・・
タカ食品工業 通販担当:
小学校1年生で、コロナ禍という状況で、学校に行けたり行けなかったりする中で、給食で私たちの「Feひじきのり」を気に入ってもらったことがすごく嬉しくて、私たちからも何か恩返しのようなことができないかなと
そして、誕生日の3日前、瑞月さんのもとに荷物が。箱を開けると・・・
タカ食品工業から送られてきたバースデーカード:
お誕生日おめでとうございます。
小学校での給食でわたしたちのつくだにを気に入ってくれてありがとうございます
瑞月さん:
ウルッてきてしまいました。
今すぐに長女に言いたいっていう感じだったんですけれど耐えました、誕生日まで。
そして迎えた誕生日。
「ひじきのり」80個を山盛りにしてプレゼントを準備した母。
葵ちゃんの反応はというと・・・
瑞月さん:
お誕生日おめでとう!これなんですか?
葵ちゃん:
わぁ~「ひじきのり」いっぱい
大好きな「ひじきのり」を目の前にして満面の笑み。
その後、ごはんをおかわり。2杯分を、喜んで味わった。
瑞月さんはこうしたやりとりをSNSに投稿したのだ。
ツイート:
こんな事してくれる会社ある!?!? 読んだ瞬間涙目になったし
するとまたたく間に、3万件近くの「いいね」がつき、拡散されていった。
影響はそれだけではない。
コロナ禍のピンチ救った「ひじきのり」
タカ食品工業 通販担当:
今まで経験したことのない注文数だったのでですね。私たちも驚きました
コロナ禍の落ち込みから一転。「ひじきのり」を食べたいと、1週間で半年分もの注文が殺到したのだ。
大塚直社長:
もう率直に言って本当に嬉しかったですね。会社の中とっても盛り上がってますよ
葵ちゃん:
「ひじきのり」送ってくれてありがとう!
それは、世界に誇る日本の給食がつないだ物語だった。
(「Mr.サンデー」9月12日放送分より)