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Disney(ディズニー)のストリーミングサービスの新規契約者は、新型コロナウイルスによるロックダウンとマスク着用義務が終わったのに伴い第2四半期のはじめは伸び悩んでいたが、成長率は改善しつつある。同社は米国8月12日、爆発的な第3四半期決算を発表し、その中でDisney+の契約者数の増加はアナリストの予想を超えたことが示された。ウォールストリートが予想していた1億1450万人を超え、前年同期比100%超の伸びを示した。

Disneyの決算はまた、あらゆる数字が予想を上回った。売上高は予想の167億6000万ドル(約1兆8510億円)に対し170億2000万ドル(約1兆8800億円)、1株あたり利益は予想の55セント(約60円)に対して80セント(約88円)だった。しかもDisneyのテーマパークが営業を再開した。

パンデミックはストリーミングを含め多くの業界で成長メトリクス予測を狂わせた。競争がますます激しさを増している業界にあってNetflixに対抗できる数少ない競合相手の1つとして、Disney+はかなり確立された存在だが、新型コロナの影響でいくらかの浮き沈みはあった。パンデミック初期には、ストリーミングは上昇傾向にあった。今年3月、Disney+はサービス開始からわずか16カ月で契約者数1億人を超えた。その際、Disneyの取締役は2024年までの契約者数は2億6000万人という予想に向けて順調だと述べた。

しかしDisneyの第2四半期決算では、経済再開がDisney+の数字に影響を及ぼした。人々は家にこもる代わりにすべきことがあり、ワクチンも広範に接種できるようになったためだ。そうしてDisney+の契約者数は、アナリストの1億930万人という予想に対して1億360万人にとどまり、その結果株価は下落した。

新型コロナが誘発した新規契約者数への効果が鈍化したのは同社だけではなかった。Netflixも年初は新型コロナ、そして制作の遅れやリリーススケジュールのようなものへの広範囲にわたる影響のために契約者数の伸びは低調だった。

しかし契約者数で再び予想を上回ったNetflixの直近の四半期は、Disney+も同様に伸びるかもしれないことを予感させた。そうした成長を支えたのは、アジアでのマーケット拡大だ。昨年のインドとインドネシアに続いてDisney+ Hotstarの提供が6月にマレーシアとタイで始まった。

ただ、Disney+のHotstarバージョンは低価格であるため、ユーザー1人あたりの月間売上高(ARPU)の減少につながった。第3四半期のARPUは、前年同期よりもDisney+ Hotstarとのミックスが多かったために、4.62ドル(約510円)から4.16ドル(約460円)へと減少した、とDisneyは説明した。

Disneyの他のストリーミングサービス、HuluとESPN+では同様の傾向はみられなかった。

Huluの購読ビデオサービスのARPUは前年同期の11.39ドル(約1260円)から13.15ドル(約1450円)に増え、ライブTVサービス(+SVOD)は68.11ドル(約7520円)から84.09ドル(約9290円)になった。ESPN+サービスも4.18ドル(約460円)から4.47ドル(約490円)へと増加した。

全体的に契約者数の増加もみられた。ESPN+は前年同期比75%増の1490万人に達し、Huluの契約者総数は21%増の4280万人となった。

「当社の消費者直接取引事業はかなり好調です。四半期末時点のDisney+、ESPN+、 Huluの契約者総数は1億7400万人近くで、今後多くの新コンテンツがプラットフォームに加わります」とDisneyのCEO、Bob Chapek (ボブ・チャペック)氏はプレスリリースで述べた。

同社の消費者直接取引事業は、契約者数や広告収入の増加などHuluの好業績のおかげで売上高は57%増の43億ドル(約4750億円)となり 、営業損失は6億ドル(約660億円)から3億ドル(約330億円)に減少した。

こうした売上増や損失減は、プログラミングや制作、マーケティング、テクノロジーのコストによるDisney+の大きな損失で相殺された。ただしDisney+の損失は契約売上高の増加と「Cruella」のDisney+ Premier Accessリリースの成功でいくぶん抑制された(Disneyの会計四半期は7月3月までであり、そのため「Black Widow」の米国でのリリース後の爆発的な人気や、スター女優スカーレット・ヨハンソン氏による訴訟の影響はこれらの数字には反映されていない)。

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画像クレジット: Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi