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スポーツショップがひしめく神田小川町に、最新スポーツ医療器具を豊富に取り揃える薬局がある———そんな噂を耳にして早速、取材に赴きました。店内には、「スポーツ医療用具専門」の看板とともに、最新のサポーターなどが所狭しと並びます。ここ明治22年(1889年)創業の老舗薬局・小川町薬局は、なぜスポーツケア用品を豊富に取り揃えているのでしょうか? 4代目店主・石津俊一さんに、最新サポーター事情と併せて、話をうかがいました。

 

さらに、最後におすすめの「腰サポーター」もピックアップ。合わせてチェックしてください。

 

小川町薬局店主/石津俊一(いしづ・しゅんいち)さん

1889年に創業した小川町薬局の4代目店主。神田スポーツ店街の中心で、病院・クリニックの処方箋を調剤しているほか、約30年前からスポーツ医療用具も取り揃えており、長年多くのアスリートたちに愛されている。

 

薬局なのに、フィッティングルームも完備!?

――これほど豊富にサポーターを取り扱っている薬局は、初めて訪れました。扱うようになったきっかけは何でしょうか?

 

石津「サポーターの取り扱いを始めたのは約30年前です。小川町薬局は明治22年からずっと、ここ神田で営んでいますが、昭和30年代ごろから周りにスポーツショップ専門店が増えて、いつの間にか“スポーツの街”になりました。私も小さい頃からスポーツが好きだったこともあり、薬局とスポーツをうまく融合できないか、と思って、サポーターに着目したのです」

 

↑130年超の歴史を誇る小川町薬局。約30年前から、チュアンヌなど主要メーカーの最新サポーターを取り揃えている

 

――石津さんご自身も、なにかスポーツの経験があるのですか?

 

石津「いろいろなスポーツに関心がありましたが、とくにスキーは長くやっていました。スキーは膝のケガが多いスポーツです。私もケガをしたり、スポーツ用品店でアルバイトをしたりするうち、サポーターに興味を持つようになったんです。その後、もっとサポーターについて知りたいと思い、大学を卒業後、社会人アメリカンフットボール部(下部組織)でトレーナーアシスタントを経験したり、スポーツケアの本場ロサンゼルスやシカゴのスポーツショップなどを視察したりしました。まさに手探り状態で、最先端のスポーツケア用品を見て回っていました」

 

――アメフトチームのトレーナーアシスタントもされていたんですか?

 

石津「NATA(全米アスレチックトレーナーズ協会)の資格を持った有名な先生がいらっしゃって、その先生の講義に週1回のペースで通い、トレーナー学を学びました。スポーツ好きが高じて、サポーターやテーピングなどを取り揃えるようになったのです」

 

――お店にはアスリートのお客さんも多いのでは?

 

石津「はい、いらっしゃいますよ。スキーヤー、スノーボーダーが多いですね。次に多いのは、柔道の選手でしょうか」

 

――ところで、お店の奥にあるスペースはなんでしょう?

 

石津「フィッティングルームです」

 

――えっ!? フィッティングルームもあるんですか?

 

石津「そうです。フィッティングルームがある薬局は、たぶんうちだけでしょう(笑)。先ほどもお話したように、スポーツ用品店でバイトした経験から、サポーターを取り揃えるのなら、フィッティングルームは必要だと思いました」

 

↑店内に設けられたフィッティングスペース

 

――たしかに、通販ではサイズ感や装着感がなかなかわかりません。店頭だからこそ実際に着用して確かめられるので、買い間違える心配はありませんね!

 

石津「試着は大事です。お客さまには自分に合っているものをしっかりと選んでいただきたい。そんな思いから作らせていただいたのです」

 

――お客さんの反響はいかがですか?

 

石津「ひと通りサポーターを着けられる! とすごく喜んでいただいています」

 

コロナ禍で需要が高まる腰痛緩和サポーター

 

――現在、スポーツケア用品はどのくらいの種類を取り揃えているのでしょうか?

 

石津「数えたことはありませんが、チュアンヌさん、マクダビッドさん、ザムストさんなど、主要メーカーの商品はほとんど取り扱っています。新商品が発売されたら、必ず自分の目でチェックしています」

 

――最新のサポーターは、昔に比べてどのあたりが進化していると思われますか?

 

石津「いろいろな種類があるので、一概にどこが進化したとは言えません。ただ、ひと昔前のものに比べたら、どの商品も本当によくできています。そんななか、自分が良いなと思ったものを選んで置かせていただいています」

 

――現在の売れ筋はどういったものですか?

 

石津「最近の傾向として、とくに腰用サポーターを買われる方が増えています。コロナ禍で、デスクワークが多くなった影響が大きいですね」

 

――腰痛は社会人の共通の悩みですね。

 

石津「そうですね。デスクワークで座っている時間が長くなって、腰痛が出始めた、悪化したというお客さんは本当に増えています。実は私も腰痛対策として、長い時間デスクワークをする際は、かならず腰サポーターをつけるようにしているんです」

 

――“デスクワークに適したサポーター”はあるのでしょうか?

 

石津「あくまで私個人の意見ですが、“幅の広いサポーター”がデスクワークに向いていると思います。背筋の湾曲に沿って包み込み、正しい姿勢を維持してくれます。また、サポーターはフィット感が大事です。幅の広いサポーターはいろいろなメーカーから発売されていますので、できれば実際に試着して、自分に合ったものを選ぶことをおすすめします」

 

――こちらのお店に来れば、石津さんからアドバイスをいただけるのでしょうか?

 

石津「もちろんです! 例えば腰用サポーターの場合、ベルトが伸縮するタイプとそうではないタイプがありますし、腰やお腹への圧力のかかり具合をチェックしながら選ぶ必要があります。薬と同じで、人それぞれ症状は異なります。ぜひ一度お越しいただければ、いろいろとアドバイスさせていただきます」

 

編集部が見つけた、デスクワークに最適な「腰サポーター」4選

小川町薬局4代目店主・石津さんに、薬局を営むかたわら「スポーツ医療用具専門」としてスポーツケア用品を取り揃える理由や、最新サポーターの売れ筋ライン、試着して購入する必要性について、お話をうかがいました。石津さんによると、コロナ禍でデスクワークが増えたことで、腰痛に悩んでいる人が増えているようです。

 

そこで今回は、ビジネスパーソンのために、デスクワークに最適な腰サポータ―を編集部がピックアップしました。

 

チュアンヌ
チュアンヌ ロンバスキン V3 プレミアム腰サポーター
1万4850円(税込)

肋骨と腰のラインにフィットし、“第2の皮膚感覚”で着用できるプレミアム腰サポーター。リモートワークで腰が悲鳴を上げている人、急性・慢性の腰痛持ちの人におすすめです。

 

チュアンヌ
チュアンヌ ロンバファースト 腰サポーター
9900円(税込)

優れた伸縮性と肌触りの良さで快適な着け心地を実現した腰サポーター。人間工学に基づいたデザインを採用し、座った姿勢でも着用できるため、長時間のデスクワークにも最適です。

 

マクダビッド
ユニバーサル バックサポート
6820円(税込)

動きを妨げず、腰をしっかり支える圧迫サポーター。両サイドのナイロンメッシュが通気性・快適性を高め、本体裏面のノンスリップゴムがズレを抑えます。スポーツから日常生活までマルチに使えます。

 

ザムスト
ザムスト ZW-7 (腰用サポーター)
8690円(税込)

患部をしっかり固定できるハードタイプのサポーター。3Dバックパネルと腹腔圧上昇効果を高める2枚構造の補助ベルトにより、高い固定力を実現します。

 

インタビュー・文/小須田泰二 撮影/我妻慶一