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山梨県甲府市で、全焼した住宅から夫婦とみられる2人の遺体が見つかった事件。

【画像】周辺を取材する田中良幸キャスターと佐々木成三氏

田中良幸キャスター:
現場から約30km離れたこちらの駐在所に19歳の少年は事件当日の夜出頭してきました。警察に直通の電話を使って泣きながら「人を殺してしまった」と話したということです。

傷害の疑いで逮捕された19歳の少年と一家との関係は?そして、動機は?

事件をめぐって4つの謎が浮上。『めざまし8』では、元埼玉県警捜査一課の佐々木成三氏とともに現場を取材。背景を追跡しました。

被害者家族と少年にどんな関係が?

第一の謎は、19歳の少年と被害家族との関係についてです。

火災は、12日未明、井上盛司さん夫婦と10代の姉妹2人が住む2階建ての住宅で発生。少年は、姉妹の姉とは高校が同じで、面識があったということです。しかし、事件当日、自宅の1階で鉢合わせしたのは、妹の方でした。逃げようとしたところ、男に後ろから何らかの凶器で頭を殴られたということです。今回の事件とこの関係性の関連はあるのかまだ明らかになっていません。

第二の謎は、焼け跡から見つかった2人の死因です。

少年は、調べに対し、「一人でやった」などと話し容疑を認め、放火への関与もほのめかしているといいます。火災現場から見つかった遺体には、刃物で刺されたような痕が見つかったということです。遺体は、井上さん夫婦とみられています。少年が妹を殴ってけがをさせたとみられ、その後、井上さんの家から出火。少年と火災、2人の死亡の関係が今後、焦点になってきそうです。

第三の謎は、犯行の動機です。

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
娘さんの知人だったことを考えると、これは窃盗目的というのは薄いのかなと思います。本来、窃盗目的であったら、顔がバレたら泥棒というのは普通は逃げるんですよ。顔を見られて、それを執拗に追いかけて暴行を振るって、その後、火を放す行為というのがあると、泥棒目的ではなく、何かしら被害者宅、家族に何か恨みを持っているという。

少年は姉と面識があるものの、事件前、井上さん家族からストーカー被害などの
相談は無く、姉が少年に恨まれるような出来事もなかったといいます。

現場に油の痕跡 放火の理由は?

激しく燃えた井上さん宅の焼け跡には、油が燃えたような痕跡があったことも新たにわかりました。

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
油のようなものを用意して持って来ているということは、元々何かしら、こういった凶悪な犯罪をする目的の下、敢行したことは考えられますよね、犯罪を最後まで遂行する、自分の目的を敢行する強い意思としては見受けられるなと感じますね。

「計画的な犯行だったのではないか?」と分析する佐々木氏。
一方で、少年は、顔にやけどを負い、右手の小指を骨折し緊急手術を受けています。

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
自分の予想以上に燃え広がるのが早くて自分の顔にやけどを負ったというのが考えられるのかなと思いますね。

第四の謎は、事件発生から出頭までの空白の15時間です。

その間、どこで何をしていたのでしょうか?

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
やっぱり現場から少しでも早く離れたい思いがあったと思います

警察によると、北西方向に逃走。現場から、直線距離で約400メートル離れた場所には、血痕が見つかっています。

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
ケガを負っていたことになりますね。その血痕が被害者なのか少年の血痕なのかというのもあるんですが、ただ、(現場から)離れている場所に垂れている、血痕が残っているということは少年本人の血痕の可能性があります。

ーーこういった道を通るのは?
人目を気にして、人目を避けて、人がいないところを選んで逃走したと思いますね。

人目を避けて行動していたとみられる少年。約15時間後、無人だった駐在所に出頭しました。駐在所で、少年とみられる人物がいる様子を目撃した人がいました。

少年とみられる人物を目撃した人:
午後7時過ぎに、駐在所の前に白い軽自動車が止まっていました。中を見ると男が立っていて電話をしている様子でした。しばらくすると、警察車両が何台も来たのでただ事ではないと思いました。

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
犯行を敢行して、その後にことの重大さを、いろんな報道があったのに気づいたかも知れないです。

顔にやけど、指に傷などを負っていたという少年。
警察官が駐在所に到着した際は、暴れたり逃げたりすることなく、落ち着いた様子だったといいます。多くの謎を依然残したままで、今後の捜査による全容解明が待たれます。

(めざまし8・10月14日放送)