もっと詳しく

職場向けの置き菓子サービス「オフィスグリコ」が全国で利用可能になる「どこでもオフィスグリコ便」の受け付け開始

食品と飲料のスタートアップThe Naked Marketが、2750万ドル(約31億円)のシリーズAを調達した。Integrated Capitalがリードし、同社の健康的な食べ物というブランドイメージの発展に寄与していく。

同社は2019年にHarrison Fugman(ハリソン・ファグマン)氏とAlex Kost(アレックス・コスト)氏とTim Marbach(ティム・マーバッハ)氏が創業し、新しい食品を開発するために、アイデアから市場までを約3カ月で行うエンドツーエンドのインフラを含む「ファストフェイル」手法を生み出した。同社は流通も手がけている。

またThe Machineと呼ばれる独自のデータツールで、Shopifyや顧客からのフィードバック、Amazon、営業や検索エンジンのトレンドであるリテールポイントなどの場所からの1500万ほどのデータポイントを集めて、同社が追究すべき有望なカテゴリーを見つけ出す。加えてまた、直接的な顧客フィードバックのループによりThe Naked Marketは、どの製品が消費者に好まれていて大規模化してよいかを測る。

CEOのFugman(ファグマン)氏は「このポートフォリオアプローチは、データに基づいたフェイルファスト戦略を採用している点が異なります。数年単位ではなく、数カ月単位で食品を特定して市場に投入することができ、製品市場に適合しないブランドがあれば、すぐにシャットダウンすることができます」という。

創業以来、The Naked Marketは5つのブランドをプロデュースした。Flock Chicken Chips、AvoCrazy、Project Breakfast、Beach House Bowlsなどで、最新のブランドであるRob’s Backstage Popcornは、Jonas Brothersとのジョイントベンチャーだ。

シリーズAに参加したのはGreat Oaks Venture CapitalとPacific Tiger Group、Sope Creek Capital、そしてClearcoとなる。The Naked Marketは約3300万ドル(約37億6000万円)を調達したことになるが、それには初期の600万ドル(約6億8000万円)のシードラウンドも含まれている。

Integrated Capitalの常務取締役Jeffrey Yam(ジェフリー・ヤム)氏は以前、香港でファグマン氏とコスト氏に会い、彼らがヤム氏に事業計画をプレゼンしたときにはすでに知己だった。

ヤム氏によると、マーケットの大きさを追求する彼らの手法と、新参のブランドにとって未開拓の分野を探す彼らの手法が気に入っている。また彼らの、データドリブンなやり方も魅力的だという。

「データドリブンで早期に勝者と敗者を見分けるアプローチは彼らを、この市場を追うにふさわしい完璧なプラットフォームにしている。製品を非常に短時間で市場に出せる軽量のインフラストラクチャが、大きな機会を作り出している」とヤム氏はべた褒めだ。

The Naked Marketの創業者アレックス・コスト氏とハリソン・ファグマン氏(画像クレジット:The Naked Market)

スナック食品の市場は2020年で4270億ドル(約48兆6479億円)といわれ、2026年まで年率3%で伸びると予想されている。ファグマン氏によれば、このような数百億〜数千億ドル(数兆〜数十兆円)の巨大市場をテクノロジーの力でディスラプトするのはやりがいがある。彼によると、最近の10年で健康的なスナックが好まれるようになり、彼の会社のような研究開発に投資する企業にチャンスが訪れている。

「既存企業は研究開発に投資していないか、投資していたとしても一桁台の低予算であり、これがチャンスになる。私たちは、マーケットリーダーを追いかけるブランドを構築できるカテゴリーを探しており、市場を特定し、ブランドを構築し、合理的な規模を実現する方程式を解いたと感じています」とさらにファグマン氏は語る。

The Naked Marketの製品は12カ月以上市場にあり、今回の新しい資金で「その炎に油を注ぐ」ことができる、という。つまり既存のブランドを規模拡大し、新製品を作り、そしてそれらブランドのM&Aの機会を追うのだ。

今同社の社員は10名だが、創業時の2年前に比べて3桁成長を遂げている。今度の新しい複数のブランドは2022年前半のローンチを予定している。

販売は目下、オンラインのみだが、今後はリテールへの卸も考えている。すでにパートナー数社が行列に並んでいる。

画像クレジット:The Naked Market

原文へ

(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)