もっと詳しく

壁をぶち抜いて部屋を増築!憧れの薪ストーブライフを実現

使用薪ストーブはノザキ産業の2300型。本体サイズは幅513×奥行413×高さ698mm

2005年に都内にに家を建て、花壇やガーデンシンクなどコツコツと庭作りを進めてきた小山内繁さん(44歳)。北海道の実家では薪ストーブを使っていたこともあり、庭や自作のサンルームにて古い薪ストーブによる火遊びを楽しんでいたが、灰や排煙で自宅が汚れ始め、また、小さな子どもには直火は危ないということもあり奥さんから薪ストーブ禁止令を出されてしまう。

大好きな薪ストーブを思う存分使うことができず、くすぶった思いが続いていたある日、知人から「薪ストーブを買い替えて、余ったノザキ製の薪ストーブがあるんだけど欲しい?」という話が小山内さんのもとに舞い込む。この好機を逃すまいと、薪ストーブの室内設置のDIYを決意した小山内さんが取ったのは、出窓がある居間の壁をぶち抜いて薪ストーブを置くための部屋を増築するという方法。その案に奥さんは賛成するはずもなかったが、小山内さんは水面下で計画を進め、なんと、奥さんが出かけている間に壁に穴をあけて後戻りできない状態にして、無理やり納得(諦め?)させた。スタートこそかなり思い切ったことをしたが、施工は勢いで進めることなく、安全性には十分配慮。薪ストーブを自力で設置した先人たちの知恵を借り、約1年かけて薪ストーブの設置スペースを完成させた。

ホームセンターやネット通販のセール品を活用したことで、材料費は約4万円まで抑えることができ、大満足の出来。「点火してから私が火を楽しめるのは最初の15分だけで、暖かいから格好の洗濯物干しのスペースになってしまうんです(笑)」と、製作前は渋っていた奥さんにとっても有効な空間になってなにより。いやぁ、めでたしめでたし!

 

薪ストーブ小屋外観。外壁は下見張り仕上げ。完成したのは昨年の春前なので、本格的に使用する時期になったら煙突を自宅の屋根上まで延ばすそうだ

 

ストーブの両側面には赤レンガを積んで蓄熱させている。炉内は正方形に近く、最大で約40cmの薪を入れられる

 

天板に鍋を置いて、焼きリンゴや煮込み料理などの薪ストーブクッキングも楽しんでいる

 

 

 

煙突の屋根出し

室内から伸びた木枠にはガルバリウム鋼板の屋根を取りつけた。すき間は防水テープとコーキング剤で埋めてある

 

内側にケイカル板を張った木枠を屋根に取りつけ、その中に煙突を通している

 

ミニ薪棚

壁に設置したミニ薪棚。屋外からも開けられるようにしたので薪の補充がしやすくなっている

 

内外から断熱した炉壁

炉壁内側はGLボンドで石膏ボード、壁タイルを張り、白モルタルで目地埋めして仕上げた

 

小屋の基礎も兼ねた炉壁。鉄筋を入れながらコンクリートブロックを積み上げ、外側はスタイロフォームで断熱した

 

自宅壁の開口

写真内点線が、もともと出窓つきの壁があった部分

 

出窓下の壁を完全に開口する前の様子。開口時に出た断熱材は壁のすき間に詰めて再利用した

 

1段下がった炉台

水洗いしやすくするために、タイル敷きの炉台はあえて自宅の床から下げた位置に設置している

 

ガラスブロックの壁

採光性をよくするために、ストーブ背面の壁はガラスブロックを積み上げて製作。強度を出すために目地にはワイヤーメッシュを入れてある

 

出窓の再利用

自宅壁の開口時にはずした出窓は、増築部の側面に設置した

写真◎冨田寿一郎、製作者提供