働く人に役立つプラスαな考え方に注目する「αism」。
吉野杉から生まれたアロマ。
豊かな木の香りに秘められた地球への優しさに迫った。
オフィス街で進められる、高層ビルの建設工事。
その資材に使われていたのは、巨大な木材。
建設現場でも進む、自然の素材を活用した環境に配慮した取り組み。
実は、ここからもう1つ、人々の心癒やすあるものが生まれていた。
9月、愛知・名古屋市内に竣工した中堅ゼネコン「淺沼組」の新社屋。
目を引くのは何といっても、外観にふんだんに使われている木材。
コンセプトは、よりよい循環を目指す「GOOD CYCLE PROJECT」。
資材として使われたのは、淺沼組の創業地でもある奈良県のブランド杉、吉野杉。
鉄筋やコンクリートなどの人工的な素材だけでなく、自然の素材を生かそうと、樹齢130年の吉野杉を使うことに決めた。
淺沼組 技術研究所・石原誠一郎所長「ゼネコンというとどちらかというと新築、より新しいビルをスクラップアンドビルドでやるのが、これまで中心的な考えだったが、循環型の社会に変わりつつある中で、より新しいリニューアルを目指せないか」
ほかにも、建設現場から出た残土を壁などの素材に再利用するなど、循環を意識した新しいリニューアルが行われている。
そしてもう1つ、新たに生まれたものがあった。
杉の香り成分をたっぷりと含んだ、アロマインテリア「ヨシノチップス」。
主な材料は、今回の建て替えで生じるおよそ4,200kgもの杉の端材。
そのままでは捨てられてしまう杉を加工、精製し、アロマオイルを抽出。
それを含ませたアロマチップスを作ることで、杉に新たな命を吹き込んだ。
このヨシノチップスは、クラウドファンディングで販売を始めたところ、想定をはるかに超える購入希望が。
ここで得られた収益は、すべて奈良の森林を保護する活動に寄付し、持続可能な林業の支援へとつなげる。
淺沼組 技術研究所・石原誠一郎所長「より新しい、地球環境にいい新しいリニューアルをお客さんに提案して、そういうものに共鳴いただく。少しでも地球環境、SDGs的に貢献できるような形を提案していきたい」