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「自分たち以外は無免許運転ダメ」 暴走族のヘンな掟(おきて)

「自分たちのチーム以外の人間は無免許運転をしてはならない」川崎市を拠点とする暴走族「若竜会」には、こんな独特な”掟(おきて)”が存在した。分かりやすく説明すると、自分たちは無免許運転をしても構わないが、自分たち以外は無免許運転をしてはいけないということ。

【画像】今年2月に検挙された少年らは「パトカーとの戦いでテンションがあがった」と供述していた

このヘンな掟(おきて)がキッカケで事件は起こった。若竜会のメンバー6人は、21年7月、川崎市の公園で、18歳の男子大学生を、集団でリンチして、ケガをさせた疑いがもたれている。被害者は全治およそ4カ月の重傷。逮捕されたのは15歳から17歳の少年で、容疑は傷害だ。

”無免許運転”に車を貸した男性まで暴行

被害者の男子大学生は、無免許運転をしている様子を、SNSに掲載していた。そのSNSを見た別の少年が、若竜会に”告げ口”をして、集団リンチに発展した。なお、男子大学生に車を貸した男性も、若竜会に暴力を振るわれている。

無免許運転と知りながら車を貸す行為も許せないらしい。なんだ、この理解不能な”正義感”は・・・。この掟(おきて)は、若竜会の中で、代々受け継がれているそうだ。逮捕された6人は「俺たちがやったことに間違いありません」とキッパリ容疑を認めている。

「パトカーとの戦いで・・・」 暴走族VS神奈川県警

神奈川県警が暴走族と認定しているのは13グループ、構成員は男女555人にのぼる。隆盛期と比べて、暴走族が激減している中、依然、神奈川県内には”少なくない”暴走族が存在しているようだ。やはり「湘南爆走族」の地元だからか・・・。

そのせいか、我々マスコミも、神奈川県の”暴走族ニュース”を取り上げることが多い。今年2月に検挙された少年・少女らは、暴走行為に及んだ動機について、「パトカーとの戦いでテンションがあがった」「捕まえてみろよという気持ちで暴走した」と供述していた。

9月には少年23人が一斉に検挙された。このうちの1人は、取り調べに対して「暴走族で神奈川県でNo.1のチームになりたいと思って走っていた」と話していた。少年らが所属する暴走族のグループ名は「不死鷹(ふしちょう)」だ。

話を本題に戻すと、神奈川県警は、”告げ口”した少年についても、傷害幇助容疑で立件する方針だ。その若竜会だが、正確には、「暴走族」ではなく、「愚連隊」としてカテゴライズされているそうだ。相変わらず複雑な世界だ。今後も県警の頑張りに期待したい。