働く人に役立つプラスαな考え方に注目する「αism」。
花屋さんの元を離れて、もう一花咲かせる。
東京・銀座のホテル「ハイアット セントリック 銀座 東京」に飾られたクリスマスツリー。
日付が書かれた数字の箱を開けていくアドベントカレンダー仕様のツリーは、ワインの輸入で使われる箱など、廃材を利用したクリスマスツリーになっている。
都内のバラ専門店「アフリカローズ」。
ケニアから直輸入している、およそ25種類の色とりどりのバラを販売している。
常に新鮮なバラのみを販売しているため、仕入れてから日にちがたってしまうと、通常販売ができなくなってしまうという。
こうしたバラはこれまで、店のディスプレーやアウトレットとしての販売を行ってきたが、廃棄になってしまうものもあった。
アフリカローズ ジェネラルマネジャー・海野真司さん「廃棄をゼロにしようとすると、(店頭に)なくなってしまうことがあるので、常に新鮮なバラをなるべく選んでもらうところに重きを置いているので、ゼロに近づけたいけど、そこはなかなか花屋は難しい」
花屋を悩ませる廃棄の問題。
この問題を解決すべく、取り組む企業がある。
販売ができなくなったバラの回収に来たのは、廃棄予定の花のアップサイクルを行う企業。
廃棄されてしまう花を“ロスフラワー”と名付け、提携している生花店から花の回収を行っている。
回収したロスフラワーはアトリエの一室で乾燥させ、ドライフラワーに。
湿度管理が徹底されているため、鮮やかな色のまま乾燥させることができるという。
株式会社RIN・川又諒子チーフディレクター「弊社はドライ室を専門に作っているので、ピンクの色味もピンクのまま。白いバラは白い花のままドライにすることが可能になっている。花びらが一輪一輪咲いている状態でドライにできるというのが特徴」
こうしてできたドライフラワーは、店舗の装飾やオブジェなどに生まれ変わり、捨てられるはずだった花が再び人びとを楽しませることができる。
ロスフラワーを装飾の作品としてアップサイクルを行う「RIN」。
目指すのは花の文化の普及。
株式会社RIN・川又チーフディレクター「花という文化がより多くの方に広まっていって楽しんでもらうことで、日の目を浴びることなく廃棄になる花が、自然となくなっていくような世界を目指していけたら。わたしたちが装飾をいろいろなところにさせてもらうことで、目に入る機会をたくさん増やすことも大事ですし、日本では花を特別な日に贈るという印象が強いので、それが日常に一輪の花を添えるというのが当たり前になっていくといいなと。“ロスフラワー”という概念を作り出しているが、“ロスフラワー”という言葉自体が少なくなっていくといいなというのが願い」