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パ・リーグのスーパープレーやレアな唯一無二の映像を、NFTで購入できる。

フリマアプリの「メルカリ」と、プロ野球のパ・リーグ6球団がタッグ。
年内にも、新サービスを開始すると発表した。

そのサービスとは。

今回の新しいサービスを利用すると、パ・リーグの名場面集など、映像を購入することができる。

サイトには、6球団の選手名のついたキューブが並び、ECサイトさながらに簡単な操作で動画を選んで、購入することができる。

パシフィックリーグマーケティング・根岸友喜CEO(最高経営責任者)「インターネットを通じて試合を見ている方は、コロナ前の2019年と比べ、3倍以上に増えている。球場外で、どれだけファンの皆さまとのエンゲージメントを高められるか、逆に好機と捉えて、どうやって新しいファンを増やすか、これらがわれわれの課題になっている」

選手のカードやバッジを集めるかのような、コレクター心をくすぐろうというこのサービス。

特に注目すべきは、NFTを活用した点。

NFTとは、デジタルコンテンツの所有状態を示す権利証明書。

暗号資産でも使われているブロックチェーン技術を用いており、データの複製や改ざんが防げるほか、購入履歴なども残るため、作品が唯一無二であることの裏づけとなる。

メルカリ執行役員 NFT担当・伏見慎剛さん「ブロックチェーンの魅力は、やはり売買の来歴というか、どのようにNFTの所有権が移っていったのかが可視化されていくことが、ひとつの魅力かなと。ブロックチェーンやNFT、なかなか難しいもので、大衆化していないのが今のリアルな状況かなと。こういったものを、プロ野球という日本に根づいた文化を使って、一緒に大衆化することができれば」

2022年以降には、暗号資産での販売や、セカンダリーマーケットの展開も視野に、NFT市場の拡大を目指したいとしている。

このニュースについては、株式会社キャスター取締役CROの石倉秀明氏に聞く。

三田友梨佳キャスター「NFTを活用した野球ファンへの新たな提案。ビジネスの視点から見ると、どのように映りますか」

石倉氏「わたしも野球が好きなので、よくYouTubeの公式アカウントなどで名場面集を見ていたりします。スポーツは、同じ場面は二度と起きないですし、その場面が何年たっても色あせずに、何度も見られたりするというところで、NFTとの相性は非常にいいと思います。例えば今後、大谷選手のようなスーパースターが出てきた際に、その選手のデビュー前の練習映像などがすごく価値を持ったりということも起きてくると思います」

三田キャスター「確かにそうですね。日本では、NFTはまだ定着できていませんが、プロ野球のNFTが受け入れられるようになるためには、どのような課題があるのでしょうか」

石倉氏「1つは、NFTとして販売している映像と同じ映像がYouTubeなどに勝手に上がってしまうことがありえます。なので、NFTで購入する動機をどう作るかだったり、権利をどう守るかが問われてきます。さらに、NFTが広く受け入れられれば、その結果として、お金もうけのためだけの投機商品になるような懸念もあると思います。なので、そうではなく、NFTを通じて野球ファン同士のコミュニケーションが積極的に活発になったり、選手やチームのロイヤルティーが上がるような企画をどう作り出していけるかがポイントだと思います」

三田キャスター「そうですね。選手とファンをつなぐ楽しいコミュニケーションとして、普及してもらいたいですね」

石倉氏「そうですね。日米のプロ野球の収益を比べてみても、実は日本とメジャーだと6倍の差の収益力がつけられています。この差というのは、ファンの心をつかんで収益を生むビジネスモデルがリーグ全体として開発してきたというのが、差として大きくなっています。ほかの競技を見てみても、NBAは、すでにNFTを導入していたりします。なので、こうした先行事例であったり、ほかの事例を学んで、そこから収益化というのを図るとともに、その収益が、よりファンを楽しませるところの取り組みに投資としてまわっていく、良いサイクル、循環になっていくことを期待します」

三田キャスター「これまでは、球場がファンとの接点の中心でしたが、こうした試みによって、ファンコミュニケーションの形は進化していくのかもしれませんね」