南太平洋のトンガ沖で、海底火山の大規模な噴火があり、日本各地に津波が到達した。
気象庁は、津波警報や注意報を出していたが、16日午後、すべて解除した。
日本時間15日午後1時ごろ、トンガ諸島にある海底火山が、大規模な噴火を起こした影響で、太平洋沿岸の広い範囲で津波が観測され、気象庁は、津波警報や注意報を発表した。
観測された津波は、鹿児島県の奄美小湊で1m20cm、岩手県の久慈港で1m10cmなどとなっている。
この津波により、高知県で、あわせて27隻の船が、沈没や転覆するなどの被害が出たほか、徳島・海陽町の漁港でも漁船5隻が転覆した。
また、沖縄・糸満市では、80代の男性が、自宅から車いすで避難する際に転倒し、軽傷を負った。
気象庁は、16日午後2時に、津波警報や注意報をすべて解除したが、海面変動が継続する可能性があるとして、今後1日程度は注意するよう呼びかけている。
地震津波監視課長・束田進也氏「これ以上大きな海面変動はおそらくないだろうと考え、今回の津波注意報の解除を行いました。このような海面変動は、津波注意報が解除された途端にぴたっと収まるものではない」
気象庁は、警報や注意報が発表されていた地域では、今後1日程度は、海の中に入って作業や釣りなどをする場合には注意するよう呼びかけている。
また、気象庁は、今回の特異な潮位の変化について、「津波かどうかもわからない」としていて、津波警報や注意報の枠組みで発表したことについても検討するとしている。