もっと詳しく
古民家カフェの中央に据えられたペチカ。このどっしりとした存在感は壁暖房のペチカならでは

 

ストーブを熱源にしたダイナミックなペチカを作ったのは、古民家を改装したカフェを経営するKさん。仕事が終わった後、コツコツとレンガを積み上げること1年半。今ではわざわざ見学に訪れる人もいるという、味のあるペチカを完成させた。
ペチカとはロシアで多く見られる暖房システム。壁の内部に排煙道を作り、ストーブから発生した熱を蓄熱させ、輻射熱で部屋を暖める、いわば壁暖房システムだ。

 

ペチカを温める熱源には薪ストーブを使用

ペチカの製作は古民家の床板を剥がすところからスタート。根太や骨組みに干渉しないスペースをペチカの設置位置に決め、コンクリートで基礎打ち。これがしっかり固まったら、あとはレンガをひたすら積み上げていくだけ。これが気が遠くなるような作業だったようで、「よく終わらせたと思います」と思わず笑うKさん。時間と手間を惜しまないDIYだからこそ、完成した作品だ。

 

 

<DATA>
Kさん(37歳)/自営業/DIY歴…8年
製作費用…約20万円(ほぼレンガ代)
製作期間…約1年半
熱源…薪ストーブ
メンテナンスの頻度…年に1度、シーズン前に煙道、煙突内部を掃除する

 

料理用の鉄板をカットして作ったというダンパー。手前が煙道用、奥が煙突用

 

ペチカ本体には側面と上部、計4点の点検口を設置。フタには縞鋼板を利用

 

メンテナンスの際は、角材の先端に板材を取り付けた自作道具でススをかき出す

 

ペチカの背面。使用したレンガはすべてホームセンターで購入。1個50円のセールになった際、まとめて買うことを繰り返したそう

 

垂直に伸びる煙突。上部にはメンテナンス用の点検口がついている

 

実は煙突、2階まで延びてます

天井へ高く延びるペチカの煙突。実はこの先にあるのは屋根ではなく、古民家の2階。当然、煙突は天井をぶち抜き、2階を通過。そこから屋根まで垂直に抜けている。煙突を横に逃がさず、高さ約5.5mまでレンガを積み上げた木村さん。その愚直な施工スタイルにはただただ驚くばかり…。

屋根から突き出たステンレスの煙突が、ペチカの煙道の最終地点

 

2階に突き出た煙突の姿

 

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2015年10月時のものです。