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遺伝的要因は不変であり、環境要因は変わりやすいという安直な区別をわたしたちが続ける限り、行動遺伝学に関する議論は不毛な堂々巡りを繰り返すと行動遺伝学者のキャスリン・ペイジ・ハーデンは考えている。遺伝子が人の学業成績に影響するという説を否定するのは「フェイクニュース」である一方、科学的人種差別に加担せずに、遺伝子と知性あるいは遺伝子と行動の関係について議論することはいかに可能だろうか? その迷宮をめぐる短期連載3回目。