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<合成も特殊効果も一切なし。エミレーツ航空の話題CM、その舞台裏とは> 828メートルある世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ」の頂に女性客室乗務員が立った。それもグリーンバックを使った合成や特殊効果ではない。 30秒のCMは青空の下、エミレーツ航空の制服を着た女性がプラカードを掲げたシーンから始まる。次々とめくられるプラカードにはこうある。 「UAEがイギリスのアンバーリスト国になったので、私たちは世界の頂上にいるような気分です」 このCMは、コロナ規制が緩和されたイギリスからの観光客誘致を目的に制作された。 「より良いフライトを」のプラカードで締め括られると、カメラがズームアウトし、女性が尖塔の頂上に立っていたことが分かる。彼女の足場となった特注の台は周囲わずか1.15メートルだったという。 撮影に関して多くの質問を受けたエミレーツ航空は、「厳格な安全プロトコル」を守って作られたCMだと回答。 「彼女は制服に隠れたハーネスによってポールに固定されていただけでなく、他の2つのポイントにも接続されていた」 エミレーツ航空は、この離れ業を遂行するのにふさわしい人材を客室乗務員から探していたが、最終的にはプロのスカイダイバーでもあるニコル・スミット=リュドヴィク氏が選ばれた。 彼女のインスタグラムには、ドバイの街を一望できるタワーの頂上から両足を投げ出した写真も投稿されている。 この投稿をInstagramで見る Nicole Smith-Ludvik(@nicolesmithludvik)がシェアした投稿 撮影チームは160階から1時間15分をかけて撮影現場に到達。「ゴールデン・アワー」に撮影するために日の出前から登り始め、最後はチューブ内のはしごで頂上にたどり着いたという。 頂上には約5時間滞在し、1台のドローンを使ってワンテイクで撮影。その舞台裏もエミレーツ航空のユーチューブチャンネルに公開されている。 「CMに出演する客室乗務員の穏やかで自信に満ちた姿は、旅行者にサービスを提供し、安全を確保する私たちの最前線のチームを体現している」 映像についてコメントしたエミレーツ航空社長のティム・クラーク卿は、美しい都市ドバイを紹介できたことがさらに誇らしい、と加えた。 斬新で挑戦的なこの映像を二度見してしまったとしても、それは無理もないことだろう。 =====