首都圏でも警戒感が高まる、軽石の漂流問題。
神津島の南の上空から見ると、線状に白いものが浮遊している。
18日、東京・伊豆諸島の1つ、神津島近くの海に、軽石のようなものが浮かんでいた。
午後、神奈川・平塚市の海岸に目を光らせていたのは市の職員。
平塚市農水産課・中村伸之課長代理「特に浮遊物等はないですね」
軽石が漂着していないか、連日、見回りを続けている。
平塚市農水産課・中村課長代理「(きょうの状況は?)軽石というものはありませんね」
関東にも迫る軽石。
沿岸部の地域には、危機感が広がっている。
8月、小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火により噴き出した大量の軽石。
沖縄県では、海岸や漁港が埋め尽くされ、漁業や観光に大きな被害が出ている。
同様の事態を避けようと、東京都が本格的な対策に乗り出した。
18日、取材班が向かったのは、東京・伊豆諸島の上空。
神津島付近の海面に浮遊する物体を発見。
さらに、確認はできていないが、海を漂う軽石のようなものが次々と見つかった。
海底火山の噴火から3カ月。
最新のシミュレーションでは、今週末にも、まとまった量の軽石が伊豆諸島に近づく可能性があることがわかった。
神津島の港に18日、水揚げされたのは、旬を迎えつつある大きなキンメダイ。
漁業関係者は、軽石の接近に不安を募らせている。
漁師・清水宏成さん「漁に出ながら気になって、途中で見に行ったら、軽石が入っていて。ああ、ちょっと来たなと思って。これでもう漁休んじゃうと厳しいですよね」
港への流入を防ごうと、18日、東京都が動いた。
神津島の港の入り口に設置されたのは、およそ60メートルのオイルフェンス。
軽石に対するバリアーだ。
陸の上からだけではなく、潜水士が、緻密な作業を水面からも行っていた。
こうしたオイルフェンスは、御蔵島の港にも設置され、都は今後、新島や三宅島での設置も検討している。