体調不良を理由に11月18日の公開質疑を欠席した木下富美子都議に対し、都議会は24日に再び出席を求めることを決めた。
あと2週間で約200万円のボーナスが支払われることに、地元からは「納得できない」との声も上がっている。
体調不良を理由に欠席…24日に再び委員会
ポツンと空いた中央の席。木下富美子東京都議がきょう18日、公開質疑で座るはずだった席だ。
都議選中に無免許で車を運転して人身事故を起こし、逃走した疑いで書類送検されている木下都議。これまでに2度、都議会で辞職勧告が決議されたが、辞職しない考えを重ねて示している。
議会運営委員長:
昨日、木下氏から体調が悪化しており、本日の委員会に出席できない旨の連絡がありました。
今日18日、行われるはずだった東京都議会の議会運営委員会での木下都議への公開質疑。主要5会派がそれぞれ10分ずつ合計50分間にわたって一問一答形式で質問する予定だった。
しかし、木下都議は体調不良を理由に欠席。24日に再び出席を求めて委員会を開くことが決まった。
都民ファーストの会 増子幹事長:
本人が自ら辞職していただくのが一番いいとは思っていますけれども…
“シングルマザー”支援活動には一定の評価も…
東京都には、木下都議の対応を批判する意見が約4000件以上寄せられている。厳しい声が圧倒的な木下都議。
しかし、これまでの活動に一定の評価をする声もある。
日本シングルマザー支援協会 江成道子代表理事:
(木下都議の活動は)積極的だったなっていう。ご自身がシングルマザーだということで、かなりしっかりバリバリ働いてこられたと…
日本シングルマザー支援協会の江成代表理事は、約3年前から、シングルマザーの自立支援活動について木下都議のサポートを受けてきたという。
日本シングルマザー支援協会 江成道子代表理事:
議会とかでまとめてヒアリングした内容とかすごく伝えてくれたりとか、そこをやってくださるということは、ものすごく有り難いことでして、本当にそう実現させたい、それが必要だということは感じていた
シングルマザーへの支援活動では情報提供や相談体制を拡充するなど、積極的に取り組んできたと評価する。
それでも無免許運転での事故については、やはり厳しい見方だ。
日本シングルマザー支援協会 江成道子代表理事:
今回のことっていうのはそれこそ法律を犯すような出来事なので、一番いいのは辞められることだとは思ってます
議員活動で評価して欲しいと訴えていたが…
11月9日には、約4カ月ぶりに公の場に姿を現していた木下都議。
木下富美子都議:
議員活動の中ですね。答えを導き出させていただければと考えております。
木下都議のお膝元、東京・板橋区民に聞くと…
板橋区民(50代):
正直なところ票を入れたので、納得いかないですね。いつまでこんなことをやってるのかなと。都議会もストップしていますよね。早いところ辞めてもらいたいなと思っています
12月まで在職するとボーナス205万円
しかし、議会を欠席しながら議員を続ければ、新たなお金の問題が浮上する。このまま議員辞職をせずに、12月1日まで在職すると冬のボーナス約205万円が支払われることになる。
板橋区民(30代):
ちゃんと仕事を果たせてない中で、ボーナスはもらうよというのはちょっとずるいかなぁと
板橋区民(30代):
私達のお金がそういうところに使われていくのかな。今の状態だと納得できないところはありますね
地方自治法に基づく「除名」手続きもある
イット!のスタジオでは、コメンテーターでジャーナリストの柳澤秀夫さんに話を聞いた。
加藤綾子キャスター:
体調不良であれば今は静養や治療も必要かもしれません。ただ本当に信念を持ってやってきたのであれば、一度区切りをつけて真摯に反省して、その上でもう一度やり直すという形もあるのかなということも感じます。もしこのまま議員を続けるのであれば、やはりきちんと説明してもらわないと納得はできないですよね
ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
なかなか法律に基づいて辞めていただくということについてはハードルが高いと言われていますけれども、地方自治法に基づいた「除名(=失職させる懲罰)」という手続きはある。議会運営そのものにかなり重大な影響が出てきてるということであれば、交通事故という議会の外の出来事ではなくて、議会そのものへの影響があるということで、しっかりした手続きを踏んでいけば除名ができるということなので、今の構図から見るとなんとなくそちらの方向に動きつつあるのかなっていう感じがしないでもないですね
加藤綾子キャスター:
特に票を入れてくれた区民を裏切る形になっていますから、何をすべきかしっかりと考えてほしいと思います
(「イット!」11月18日放送より)