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緊急事態宣言が続く、関東の1都3県。

百貨店では、感染対策の1つとして導入した新たな「接客」の仕方、「非接触型のサービス」が人気を集めている。

東京、新宿の百貨店「伊勢丹新宿店」。

開店前の婦人服売り場で、ポーズを撮りながら自撮りをしているのは、モデルではなく、売り場の販売員。

あるサービスのために、自撮りをしていた。

三越伊勢丹 MD計画部の上林大悟さん「(“自撮り”の理由は?)取り扱っている商品を販売員が撮影して、(オンラインストアに)投稿し、お客さまに着用感やサイズなどを伝えるサービス」

コロナ禍で、実店舗でのショッピングは遠のく中、新たに導入された「スナップ機能」というサービス。

まず販売員は、自ら考えたコーディネートに着替える。

そして、コーディネートの全身写真や、アイテムのアップなどをスナップ撮影。

これらの画像は、スナップごとに販売員の身長や素材感、おすすめポイントなどを登録する。

すると、百貨店のオンラインストアで、こうしたデータが盛り込まれた商品の画像を見ることができる仕組み。

こうすれば、百貨店に行かなくても、画像を見れば、商品のサイズ感や着用感などがわかるほか、専用のアプリから、チャットによる問い合わせも可能。

この機能は、レディースだけではなく、メンズにも導入。

キッチン用品や食器などのインテリアも、おすすめのスナップ画像が発信されている。

8月末時点で、このサービスを利用した客の単価が、およそ2倍に上がったほか、このサービス経由での購入も、およそ2倍に増えたという。

伊勢丹新宿店 リ・スタイル担当の柳川萌子さん「ご来店いただけないお客さまでも、オンライン(ストア)を見ていただいて、スタッフの着用感を見ていただくことで、とてもリアルに伝わっていると思います」

MD統括部 ライフデザイングループの柳澤朋花さん「ECサイトでも、買い物をより楽しんでいただけるのではないかと期待して、取り組んでいます」

一方、神奈川・横浜市にある百貨店「そごう横浜店」は、短時間で買い物ができる婦人靴売り場の非接触サービスが人気。

全日本革靴工業協同組合連合会が開発した、非接触で足のサイズが計測できる測定器。

およそ15秒で、自分の足のサイズを測定。

このデータに沿って、足のサイズや足幅別に作られた、80種類のパンプスの見本が試し履きできる。

さらに、タブレットに好みのタイプや色などを入力すると、国内の百貨店としては最大級のおよそ1万足の婦人靴の中から、好みの靴が提案される。

婦人靴売り場 バチェラーオブシューフィッティングの田中友紀さん「(メリットは?)ストレスが少なく靴選びができることがメリット」

実際に、利用者のおよそ49.6%が婦人靴を購入しているという、このサービス。

婦人靴売り場 バチェラーオブシューフィッティングの田中さん「コロナ禍で、買い物の仕方のニーズなどが変化していることもあり、非接触サービスを取り入れ、リアルな接客と組み合わせることで、お客さまの満足度が高まると考えています」

お客に寄り添う、非接触サービス。

コロナ収束後も続くとみられている。