出演者も観客も同じ場所にいないオンラインのライブイベントでも、感動を共有できる新たなシステムとは。
9月に東京理科大学の学園祭で開かれた、歌手・五條真由美さんのオンラインライブ。
観客はパソコンを前に手にしたライトを振ったり、ボタンを押したり、一体何をしているのかというと…
五條真由美さん「理大祭の場を借り『ヒトコネクションテクノロジー』、これを使った実証実験を行いたいと思っています」
ヒトコネクションテクノロジーとは、今、新型コロナウイルスの影響で増えているオンラインイベントに向けて、電子部品大手「アルプスアルパイン」が開発しているコミュニケーションシステム。
出演者と参加者それぞれのデバイスが双方向に連動し、同じ会場にいるような一体感を味わえる。
例えば、スティックを手にイベントを視聴すると、画面に色を変える指示が表示され、参加者全員が指示に従って青色になった。
まるで会場全体が青のライトに変わっていくように、画面上で参加者のライトが徐々に青に変わっていく様子を確認できる。
その変化は、出演者の手首のデバイスにも。
参加者の選ぶ色と連動して色が変わっていく。
ほかにも、スティックを振ると「会場のノリ」の表示が変化したり、応援ボタンを連打するとハートが膨らむなど、ほかの参加者のリアクションを可視化。
出演者もモニターで参加者の盛り上がりを確認できる。
五條真由美さん「本当はこの場所にいて顔を見て、皆さんがどういう表情しているのかなっていうのを見たいんですが、このモニターで、色だったり、ハートだったり、思いだったりが伝わるようになっているというシステムです」
アルプスアルパイン マーケティング部・中山高志さん「われわれも初めての体験で、非常にドキドキしながら行ったが、今回、通信・振動・光を使ったデバイスの可能性を非常に感じられたかなと思っている」
今後は、子育て中や入院などの理由でライブに行けない人向けなど、幅広い活用を視野に開発を進め、2022年の販売を目指すとしている。